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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

能楽師を先生と呼ぶ違和感・・・承前

ここで一つ計算をしてみようかと思います。
何流でも良いのですが、とりあえず宝生流を例に取り上げてみます。座席数が分かって計算しやすいのと、宝生流では個人の会が極端に少ないので、入場料を取る公演となると流儀主催の会を中心に考えればよいという理由です。

宝生流には定例会として毎月の月並能と五雲会があります。いずれも学生席があったり、五雲会には年間一括の割引があったりなどしますが、そうした点を無視して、毎回、全席が一般観客によって満員になったと仮定します。
宝生能楽堂490席について計算すると、月並能の入場料は一回の公演あたり3,348千円、五雲会は2,450千円になります。一番の能についてシテ、ツレ、ワキ、アイ各1名、囃子方4名、地謡8名、後見2名が出演、狂言はシテ、アドなど3名が出演するとします。
月並能は能三番と狂言一番、五雲会は能四番と狂言二番の番組ですから、番数に応じて延べ人数を計算すると、月並は54名、五雲会は72名となります。延べ人数で入場料を平均的に分配すると、月並の出演は一人あたり58,737円、五雲会では31,410円と計算されます。

もちろん延べで計算していますから、一回の会で何番も出演すれば当人の取り分は多くなりますが、一方で、会館の運営経費、人件費、なにより装束や面にかかる費用などを考えると、一人あたりの取り分がどう考えてもたいした金額にならないことがおわかりいただけると思います。

実際の出演料はこうした平均値とは全く違った決め方をされているようですが、ともかくどう分けようとも、もともとが月々6百万円弱に過ぎないわけですから、これだけで宗家以下流儀の数多くの能楽師が芸を伝承し、家族を養っていくのはどう考えても無理だと言わざるを得ません。

歌舞伎のように昼の部・夜の部一日2回公演で一月ロングラン、しかも千席を超える劇場での公演というのとは、全く異なった興業形態だからです。これが「先生」の背景にあります。
このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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