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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

草紙洗 今井泰行(五雲会)

宝生流 宝生能楽堂 2010.06.19
 シテ 今井泰行、子方 山内晶生、貫之 小倉伸二郎
  立衆 金森隆晋 今井基 藤井秋雅
  ワキ 森常好、アイ 野村扇丞
   大鼓 柿原光博、小鼓 幸信吾
   笛 一噌隆之

四月の五雲会では志賀が出ましたが、六月は草紙洗。志賀では明神にまつられた大伴黒主が、この草紙洗では悪役として登場します。
この黒主という人、六歌仙の一人に数えられる歌人ですが、実際どんな人だったのかは、よく分からないようです。謡曲では大伴と書かれますが、歴史上の人物としては大友村主黒主というのが、この人のことだとか。

大伴というと、かの大伴家持などを輩出した大伴氏を思いうかべますが、この一族は823年に大伴皇子が天皇に即位すると(淳和天皇)、皇子の名を憚って自らの氏を伴にあらためています。高校の歴史の教科書に「応天門の変」が出てきますが、この事件の中心人物である大納言伴善男は、この伴氏すなわち大伴氏の出自ですね。
黒主はこの応天門の変の頃に在世だったようですから、すでに伴氏を名乗っていた大伴氏とは別系統ということで、大友というのが正解のようです。

黒主の歌は古今集や後撰集、拾遺集などに収録されていますが、六歌仙に数えられながら百人一首には選ばれていません。私自身は和歌の素養がないため歌の善し悪しは分かりませんが、もう少し評価されても良い人ではないかとの感想を持っています。

この実際の人物像がよく分からない黒主が、能や歌舞伎に悪役として登場することになったのは不思議な話ですが、一説には、古今集仮名序の「おほとものくろぬしはそのさまいやし」という評と、黒主という名前のせいだと言われます。
さもありなんという感じがしますが、さて観能記の方は明日につづきます
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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