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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

知章さらにつづき

シテは橋掛りから舞台に入り「時もこそあれ御僧の 今日しもここに来たり給い 回向し給う有り難さよ」と常座に出てワキの方を向きます。
シテの詞が続き、ワキが受けての掛け合い。ワキは「思いの玉の数繰りて」と謡いつつワキ座前に正先を向いて座し、一方シテは「弔うことよさなきだに」と謡いつつ正中に出て座し、二人合掌して同吟「一見卒塔婆永離三悪道・・・」と知章の卒塔婆を弔う形になります。

地謡の下歌でシテは合掌を解いて構えます。ワキは合掌したまま下歌を聞き上歌の前で合掌を解きます。さらに上歌「唯一念の功力だに」を聞いてワキは立ち上がり、ワキ座に直り、卒塔婆をともに拝する形からシテと向き合う形になります。

昨日もシテ・ワキのやり取りの収まりが悪いと書きましたが、そもそもこの知章という曲、流儀による詞章の違いが割合大きい曲のようで、このワキの問いとそれに対するシテとのやり取りも流儀によってかなり違います。
いつぞやコメントをいただいたように、下掛り宝生流のワキは喜多流の本と共通する部分が多いのですが、ここでも喜多の本同様に「さて知盛も知章と一所に果て給いて候か」と問いかけます。喜多の本ではこれにシテが「さん候知盛も討たれ給うべかりしを、子息武蔵の守かけふさがって、親をば助けその身は討たれぬ」と答え、それから知盛の様子をワキの問いを交えながら語る展開になっています。

観世の本ではワキがいきなり「さて知盛の御最期は何とかならせ給いて候ぞ」と問いかけ、シテは「さん候知盛は、あれに見えたる・・・」と知盛が御座船にたどり着いた様子を語り出し、知章が知盛を助けて討たれた話が出てきません。

そもそもこの能は、父知盛を助けようとして討たれた知章が主人公なのですが、その知章の死を思う知盛の心中、知盛の乗馬との別れ、御座船の様子などなど、盛り沢山に描かれています。当日いただいた玄祥さんによる演能解説にもそうしたところから、演じ手にとって難儀な曲で、なかなか上演されないという趣旨の話が書かれています。

そのあたりをなんとか整理しようとして、流儀毎の詞章の差異も大きくなったのかも知れません。
ともかくもつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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