FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

知章またまたのつづき

昨日書きました、シテと地謡で知章と監物太郎の討死が謡われる部分は特に型付けがなく、床几にかかったシテはじっとしたままです。
続いてシテの謡「その隙に知盛は」これを地謡が受けて、御座船まで馬を泳がせてたどり着いたことが謡われます。この終わりにシテがワキを向き、語る風情を見せますが、低音の笛のアシライが涙を誘う感じです。

クセの前半は居グセで、知盛が子息知章や郎党監物太郎が討たれるのを見捨てて助かったことを嘆き、袖を濡らした様が謡われますが、ここの地謡は思いが切々と迫るようで聴き応えがありました。
シテの上げ端「武蔵の守知章は」地謡「生年二八の春なれば・・・」と、知盛の兄で平家の総大将だった宗盛の嫡子清宗と同じ十六歳だったことが謡われます。シテは立ち上がり、ゆっくりと目付柱の方を見ると直してサシ込み開き、七拍子踏んで目付へと出、角トリして正中から常座へと回って小回り、と舞台を一廻りしてさらに四拍子を踏み、左右打込開きとクセの謡一杯に型を見せます。

ここからロンギになりますが、これがまた不思議な展開で、地謡が「げに傷わしき物語、同じくは御最期を懺悔に語り給えや」と謡い、時間は戻って知盛、知章、監物太郎の三騎に源氏方の児玉党が追いつき、知盛に駆け寄り討とうとするところを知章が割って入ったという知章の最期の場面になります。

シテがこの修羅場を舞に見せ、知章が知盛に駆け寄った敵方の主人と思しき武者を討ち取ったものの、起き上がったところを敵の郎党に討たれてしまったと、最期の様子を見せます。
そこからは急転直下「そのまま修羅の業に沈むを 思わざる御僧の弔いはありがたや」とワキに感謝する形となり、討たれた形で安座したところから、立ち上がって目付、常座と回り、正中でワキに合掌。直して留拍子を踏んで終曲となりました。

知章の奮戦も、知盛の思いも、あるいは一門の人々の涙も、それぞれに迫ってくるものがあり、そういう意味ではこの鑑賞記の初日に書いたように「案外面白い曲」だと思うのですが、知章最期と知盛の悔恨とテーマが錯綜してしまい、能としては難しいところでしょう。
演じにくい曲かと思いますが、次々と変わる場面を違和感なく演じたシテの技量が「案外面白い曲」という印象に繋がったのかも知れません。
(81分:当日の上演時間を記しておきます)
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/1468-552e0423

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-08 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。