FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

貰聟さらにつづき

さて女は常座から案内を乞い、立ち上がった舅がワキ座に出て「いや、おごうの声じゃが、えいおごう」と声をかけます。女が泣き、どうしたのかと舅が聞くと、女は「また我男が酒に酔うて暇をくれてござる」と答え、舅が「またか」と声を出します。

この曲、この女と舅のやり取りを聞くまでは、こうした暇をやるやらぬの騒ぎが度々繰り返されてきたことが分かりません。ここで初めて、なんだまたまたの騒動なのかと分かるわけで、作劇の面白いところです。

舅は度々のことでもあり、了簡して帰るようにと諭しますが、女はこの度は暇の印に腰の物をくれたのでこれまでとは違うと言います。親も一腰には驚いた様子ですが、とは言え昔から七度までは戻れというなどと、なんとか娘を戻そうとします。しかし女は、七度や十度のことではなく、も早堪忍袋が切れたので戻るのは嫌だと言いつのります。淵川に身を投げるのといったやり取りの後、それでは奥へ引っ込んで出てくるなと舅が言い、二人は冒頭と同じ形で笛座前に着座します。

今度は狂言袴に肩衣をつけた常の形、いささか意気消沈した様子で聟が登場してきます。常座でひとしきり、酔いが覚めて妻がいないのに気付いたが、妻がいないと世帯のことがどうしようもない。またかな法師が尋ねてなんともならない、と困った様子で独白し、自ら迎えに行こうと言いつつ舞台を廻って舅の家にやってきた形になります。

案内を乞うと、舅がワキ座に着座し、聟は正中に出て着座してやりとりとなります。おごうを戻して欲しい、来ていないなどとのやり取りになるうちに、女が立って一ノ松あたりに出て話を伺う様子。聟が「かな法師が尋ねましてどうもなりませぬ」と言うと、女が思わず「おおかな法師が尋ねましょうとも」と大声を出してしまいます。

それから女は舅のそばに寄り、ワキ座側から袖を引いたりしますが、そのうちに聟と女が顔を合わせてしまい、一緒に帰ろうとします。
これに、舅が女を引き戻して叱りますが、戻さぬと言う聟と組合になってしまい、聟と女が舅を打ち倒して退場。舅が「来年から祭には呼ばぬぞよ」と言って留。
茂山家と基本は同じですが、微妙な違いが面白いところです。一般的に大藏流よりも和泉流の方が細かいやり取りがあるようで、時間もやや長くかかるように思います。
(35分:当日の上演時間を記しておきます)
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/1473-15005ef9

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-03 | »
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。