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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

墨塗さらにつづき

さて大名と女が、互いに泣き合っているうちに、太郎冠者はその騒ぎを避けるように立ち上がって橋掛りへと向かいます。
すると橋掛りからは、女が水入の水で泣き真似をしているのが良く見えてしまう、というのがこの曲の鍵の部分。太郎冠者は「これはいかな事、あれはまことに泣くかと思えば鬢水入をそばに置いて その水を目へ塗って泣く真似をしおる。さてさて憎いことかな」と言うと、舞台に戻りシテの袖を引いて「ちょっとお出でなされませ」と、大名を橋掛りへと導きます。

太郎冠者は、大名に女の泣き真似を知らせようと誘った訳ですが、さて女が泣き真似をしていると告げても、大名は信じようとしません。
その上、涙というのは「四十余の骨骨が潤わねば」一滴も出ないものだと言い、国許に帰ったら自分の妻に言いつけようという事だろう、などと言ってまた床几に戻って女と泣き合う始末です。

太郎冠者は苦々しいものだと言いつつ思案しますが「いや、いたしようがある」と言うと、後見から水入を受け取り、女の膝元にある水入とすり替えてしまいます。
このすり替えた水入には墨が入っているという訳です。
この墨、糊が混ぜてあるという話も聞きますが、本当のところは分かりません。

さて、女は墨に気付かず泣き真似をし続けますが、最後の別れにお互いの顔をよく見ておこうということになり、大名と女が顔を合わせます。
これで驚いたのが大名で、そそくさと立ち上がると太郎冠者を橋掛りへと連れて行きます。
これは一体どうしたことかと大名が問うと、太郎冠者が墨入りの水入と取り替えたいきさつを語り、大名は女の不実に怒ってなんとか恥をかかせたいものだと考えます。
そして鏡を取り出すと、これを自分の形見といって女に渡すよう太郎冠者に命じ、女が鏡を受け取ると顔を写してみるようにと勧めます。

女が鏡を見ると墨が顔についていて、怒った女が太郎冠者と大名の顔にも墨を塗り、笑いつつ逃げる二人を女が追い込んでの留となりました。
楽しい一曲ではあります。
(25分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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