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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

海士 中村裕(足利能)

観世流 足利市民プラザ 2010.09.11
 シテ 中村裕、子方 丸山喜弘
  ワキ 村瀬慧、アイ 野村太一郎
   大鼓 大倉慶之助、小鼓 森貴史
   太鼓 金春國和、笛 藤田貴寛

海士はこのブログ初登場です。「あま」は女性の仕事ということからか、現在では「海女」と書かれるのが普通ですが、能の曲名としては「海人」と書かれ、観世流のみが「海士」の表記を用いています。

讃岐国、香川県に現存する四国八十八カ所第八十六番札所である補陀洛山清浄光院志度寺に伝わる、海女の玉取伝説をもとに作能されたもので、金春権守が演じた古作の能とされています。
金春権守は金春禅竹の祖父にあたる人ですが、申楽談義の中で、世阿弥はこの人の能については酷評といっても良いような言い方をしています。この海士についても、クセ前地謡の上歌にある「あらなつかしのあま人やと、御涙を流し給えば」の「御涙」の節付けがよろしくないとか、玉之段を「黒頭にて軽々と出で立ちて小ばたらきの風体」だったのが、女物の曲には似つかわしくないなどと述べています。
現在では前後二場の能ですが、もともと金春権守が前場の部分のみを一曲として演じていたものに、早舞の入る後場を加えて、世阿弥が全体を改作したのではないかという話も聞きます。

ところで志度寺に残る玉取伝説ですが、これは話としては面白いのですが、なぜ藤原房前の母が海女とされたのか、そのあたりの経緯がよく分かりません。
藤原房前は鎌足、不比等と続く藤原氏の三代目の世代に属する人物で、不比等の四人の男子、武智麻呂、房前、宇合、麻呂の二番目。この四人はそれぞれ藤原四家である南家、北家、式家、京家の始祖となりますが、房前の子孫北家が最も栄え、道長などもこの系統に属します。
話は長くなりますので、明日につづきます
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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