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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

海士さらにつづき

次第を謡った一同は、地取りでワキツレが下居してワキのサシ。これを受けて子方が自ら「房前の大臣」と名乗り、自分の母は讃州志度の浦、房崎というところで亡くなったと聞いたので、彼の地に下って追善をしようと思う旨を述べます。

これを受けてワキ、ワキツレの下歌、上歌からワキの着きゼリフになりますが、この日は下歌、上歌が省略されて、子方の名乗りから直ちにワキの着きゼリフとなりました。
ワキは、男女の別は知れないが一人やって来る者があるので、この所の謂われを詳しく聞こうと言ってシテを待つ形になります。

一声が奏されて、箔を腰巻にし、浅葱の水衣を肩上げに着けた前シテが登場してきます。常座まで出たシテはやや俯き加減の様子で、一セイ「海士の刈る藻に栖む虫にあらねども われから濡らす袂かな」を謡います。
この後、シテのサシ、下歌とあって、ワキが語りかける形ですが、ワキの下歌・上歌同様に、シテのサシ・下歌が省略され、一セイからワキの詞となりました。
これだけ省略すると、曲の展開が一挙にスピーディーになる感じです。前後場とそれぞれに見せ場のある曲ですので、こうした演出も良いかも知れません。

さてワキとシテのやり取りで、ワキはシテに水底の海松藻を刈ってくるようにと求めます。シテは高貴な方達が、わざわざ水底の海松藻を刈れとはよほどに飢えているのかと訝しみますが、ワキは海松が欲しいのではなく、水底に映った月を見るために藻を刈って欲しいのだと答えます。
不思議なやり取りですが、この水底に映る月から、シテは海に沈んで龍宮に取られた明珠を海士が潜(カヅ)き上げた話を導きます。

ワキの問いに答えて、シテが語り出します。
淡海公不比等の妹は唐の高宗皇帝の后となっていますが、藤原氏の氏寺興福寺に、唐の国から華原磬、泗濱石、面向不背の珠の三つの宝が贈られます。(なんでも華原磬は袈裟をかけるまで鳴り止まない金鼓、泗濱石は墨をすると水が湧いてくる硯だとか)
面向不背の珠は玉のうちに釈迦の像があり、どの方向から拝んでも同じ面を見せるので面向不背というのだそうですが、前の二つの宝が無事興福寺に届いたのに、珠は志度の沖で龍宮に取られてしまったという訳です。
このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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