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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

清水座頭さらにさらにつづき

二人の掛け合いは昨日書いた部分を含め、次のような形です。
シテ「やがて杖にて推したり 女「こなたも杖にて推したり シテ「我は観音に参詣申し、祈念を致すにかくばかり、若しは主なき人やらん 女「我は主なき花衣の 恨むべき人もさらになし シテ「さては夢想の末遂げて 二人「互ひに目見えぬ中なれ共 契りとなれば嬉しさよ 千束立てぬる錦木も 逢わで朽ちにし習ひなるに 時をも移さずして 夫婦と成るぞ嬉しき

これを二人で謡いながら橋掛りを進んで舞台へと入り、シテが常座、アドがワキ座にと立ちます。シテはあらためて招き扇のような型で瞽女を誘い、二人が連れ立って退場して留となりました。

大笑いするような曲ではありませんが、なんだか優しい気持ちにさせてくれる一曲です。身体障碍に対する捉え方は、古典の場合、あまり気持ち良い物ばかりではありませんが、万蔵さんの解説にもあった通り、盲人を取り上げた曲は、そこはかとない優しさを感じる物が少なくないと思います。(あまり気持ちの良くない曲もありますが)
萬さんと扇丞さんの演技に、暖かいものを感じた次第です。

ところで大正年間に出版された新型袖珍名著文庫「狂言五十番」には、瞽女座頭が収録されていますが、清水座頭と同じ題材ながら、やり取りなどがけっこう違っています。
座頭の平曲は「そもそも津の国一の谷にて、山川に水出で、くち木流れたり、どぶりどぶりと流れたり。小猿取り附き流れたり。ふきといふも草の名、めうがといふも草の名、ふうき自在徳ありて、めうがあらせおはしませ」となっています。
またこれを聞いて褒めた瞽女は、続いて
「たたほほたほほ。それ神の代すでに十二代、人王の始まりは神武天皇と申し奉る。今此の御代に至るまで、豊に栄えおはしまし、国土万民寿命長遠、福徳自在円満と、めでたき御代こそ久しけれ。おれが殿御はお茶山にお茶山に、えんなつきせぬこの茶ゑんこの茶ゑん、茂り茂れる葉も茂れ。ふたり隠れて見えぬほどに」と謡います。

目覚めてからのやり取りもかなり異なっていますが、大藏流や鷺流ではこんな形を演じていたのかもしれません。
(39分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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