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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

田村のつづき

シテの下歌から上歌が続き、最後にワキが立ち上がってシテに向かう形になります。
ワキが問いかけてシテとの問答になり、清水寺の来歴をシテが語ります。これまでの田村の観能記にも書いたとおり、大和の国の沙門が行叡居士という老翁に出会い、この行叡居士が大伽藍を建立すべしと行って東へ飛び去ったという話ですが、下掛りでは行叡居士が七百歳であったことや、この話を聞いた坂上田村麻呂が伽藍を建立した話なども含まれるところ、上掛りではこうした話は出てきません。

続いて名所教えになりますが、中山清閑寺から鷲の尾の寺、音羽山に出た月の光に地主の桜が映える景色を愛でる展開です。
これまた以前にも書きましたが、この南に中山清閑寺、北に鷲の尾の寺を見るについて、舞台のどの方角を見るのかは流儀によって異なっています。
金春と宝生ではシテ柱の方角を南にとり、ワキ柱を北にとって、まずはシテ柱から幕の方角を遠く見やって清閑寺を見る形になります。また喜多流は笛柱を南に、目付け柱を北に見て、まずは笛柱のほうを向いて清閑寺を見ます。
観世流は喜多流とちょうど反対の方向になり、まず目付け柱の方角を南にして遠く清閑寺を眺める形から、笛柱を向いて北に鷲の尾の寺を見ます。

シテは正中で「や」と声を上げて一度下を見、面を上げてワキ柱の彼方に音羽山に上った月を眺めます。地主の桜に映る景色と正面に向き直り、シテ・ワキが正中に寄って「春宵一刻値千金 花に清香 月に影」と同吟、シテが左の手でワキの胸あたりを押さえる形です。

地謡が謡う中、ワキはワキ座に下がり、シテが正中で開キの型から大小前へと進んでクセになります。前場のクセは舞グセで、仕舞としてもよく舞われるところです。
型通りのクセは「面白の春べや あら面白の春べや」と左右の型からワキを向いて下居して留となり、ロンギに入っていきます。
シテは自らの名をしかとは明かさないままに、立ち上がって開キから目付に出るとさらに正中、大小前と回り「坂の上の田村堂の」と堂を見る形から扇を使って堂の戸を開ける型。常座に進んで正を向き、あらために「内陣に入らせ給いけり」と送り笛に送られての中入りになりました。
この続きはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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