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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

大般若さらにつづき

当日の中村健史さんの解説や、復曲能の作者である梅若玄祥さんが主催する梅若能楽学院のHPの記事などを踏まえつつ、流沙をめぐる誤解や「大般若」の成り立ちなどについて、少しばかり書いてみようと思います。

実在の玄奘三蔵のインドへの旅については、玄奘の自著である「大唐西域記」と、没後間もなくに編纂された「大慈恩寺三蔵法師伝(慈恩伝)」が資料として存在しますが、慈恩伝には、この流沙河の地を過ぎる時に玄奘が大変な難儀をし、死を覚悟して観音を念じたところ、夢の中に深沙大王が現れて助けられたと書かれているそうです。後々玄奘三蔵が深沙大王を奉ったのはこのときのことがもとになっていると言います。

三蔵法師の旅といえば思い出すのが「西遊記」ですが、孫悟空や猪八戒、沙悟浄といった三蔵法師の弟子の中にも、金角や銀角のような敵役の中にも、深沙大王は登場してきません。
「大般若」は室町時代後期に作られたと最初に書きましたが、ちょうど「西遊記」が中国で大成された頃のようで、まだ日本では「西遊記」が流布しておらず、西遊記成立以前の伝承をもとに作られたとのことです。

したがって「大般若」には「西遊記」のキャラクターは登場してこない訳です。しかし流沙河が水のあるところというのは、早くから生じていた誤解らしく、大般若もそうした前提の上に作られていますし、西遊記もその延長線上にあります。

ともかく、大般若は西遊記が成立する以前の、玄奘三蔵の西域行をめぐる伝承を基礎に作られ、流沙河で登場してくるのは深沙大王ということになっています。

能の方に戻りますと、何やら怪しげに登場してきた前シテの男は、実は深沙大王の仮の姿ということになるのですが、さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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