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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

兼平のつづき

シテが謡い終えると、ワキが便船したいと申し出ます。しかしシテは、これは柴を積んだ舟で渡し船ではないので乗せられないと断ります。
こういうやり取りが能らしいところですが、ワキは柴舟なのは分かっているものの渡に舟がない。自分たちは出家でもあり、御利益もあろうから乗せてほしいとさらに頼みます。
結局、シテは舟に乗せることに同意し、地謡の「とくとく召され候え」でシテが棹に手を掛けて舟漕ぐ形になると、ワキがするすると進んで舟の中央部分に乗り込み下居します。
続いて名所教え。ワキが見え渡る浦山は皆名所だろうから教えてほしいとたずね、シテが同意します。ワキはまず、向かいの大きな山は比叡山かと問いかけ、シテは、ややワキ正側の方に向きを変えて答え、山王二十一社から八王子、戸津坂本の人家まで残らず見えることを示します。
シテ、ワキの問答がつづき、比叡山の謂われが語られ、根本中堂や大宮権現の御在所である橋殿などが見える様が示されます。

掛け合いから地謡となり、横川から「さてまた麓はさざ波や 志賀辛崎の一松」とシテは左、右と向きを変えつつ、移る景色を示す風。「さざ波の水馴棹こがれ行くほどに」と正面を向いて棹に手を掛けてさらに舟を漕ぐ形から、さらに「粟津の森は近くなりて」と幕の方を見ます。
地謡の最後は「粟津に早く着きにけり」と、柴舟が粟津の浦に到着し、シテは棹を落として舟を下りるとすすっと狂言座まで進み、その後は送リ笛に送られて静かに中入りしました。ワキもゆっくりと舟を下りてワキ座にと着座します。

シテが幕に入ると後見が舟を下げ、アイが立ち上がって釣り竿を右肩に担い、常座に出て「粟津の浦の船頭」と名乗ります。

当日いただいた藤城さんの解説にもありますが、粟津に着くとシテは何も言わずに棹を落として姿を消してしまいます。「夢ばし覚まし給うなよ」と言い残して行く八島の前シテではありませんが、もう少し愛想があってもよさそうな気もしますね。
このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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