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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

兼平さらにさらにつづき

一ノ松に立った後シテは「白刃骨を砕く苦しみ眼晴を破り・・・」と謡い出し「粟津の原の朝風に」と幕方を振り返ると、向き直って舞台へと進み常座に出ます。

甲冑を帯びて現れ出たシテの姿に、ワキ僧は一体誰かと問いかけます。ご承知の通り、能では装束も極めて様式化されているため、歴史的な実際の服装と、装束が異なった形となる場合が多々あります。舞台上で甲冑を着けることはありませんで、袷法被に半切の組み合わせで甲冑を着けたことを表します。

シテは愚かな問いだと評し、そもそもワキ僧がここまでやって来たのも、自分を弔うためだったのではないかと言って、自ら兼平の幽霊であることを明かします。
さらにシテ、ワキの問答で、前日、矢橋の浦の渡し守として現れ出でた舟人こそ、兼平が現世に現れた姿であったことが明らかになります。

地謡のクリでシテは正中に進み、床几にかかってサシ、クセと謡が続きます。
クセの前半では平家物語の木曾最期をふまえ、兼平と同じところで戦って死のうと言う義仲を兼平が諫め、自分が防ぎ矢を仕るので落ちて御自害されるようにと兼平が勧め、義仲が唯一騎、粟津の原の彼方にある松原さして落ちて行ったことが謡われます。

上端「頃は正月の末つ方」からシテは義仲を演ずる形になり、床几にかかったまま謡に合わせ仕方で義仲が落ち行く様を演じます。馬が深田に落ち込んで動けなくなり、兼平はどうしたかと振り返ったところに矢が飛んできて、内兜を射抜き義仲は深手を負ってしまいます。地謡「今ぞ命は槻弓の矢一つ来たって内兜に」と右手を挙げ、扇をすっと後ろに倒して矢に射抜かれた様を示します。

「たまりもあえず馬上より」で立つと一度左膝を着いて馬上から落ちた形。常座へ出て「所はここぞ我よりも主君の御跡を先ず弔いてたび給え」とワキに向き、兼平の霊が僧に回向を頼む形に変わります。

さらにここから兼平の最期を見せる形となり、「御内に今井の四郎」と七つ拍子を踏んで扇広げ、正先へ出つつ雲扇、太刀抜いて四つ拍子を踏むと「大勢を粟津の汀に追いつつめて」と橋掛りに入り幕前まで進んで太刀打って六拍子。舞台に戻ると太刀を構えて回り「太刀を咥えつつ逆様に落ちて」と安座。あらためて立つと常座で小回りして開キ、留拍子を踏んで終曲となりました。
(81分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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