能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

定家さらにさらにつづき

塚の前側の柱にも葛が纏わり付いた中に、緋の大口に白の長絹を着けたシテが床几にかかっています。面はしかとはわかりませんでしたが、霊女や痩女の類ではないので、泥眼だったのか割とふっくらした印象でした。

この曲、後場で痩女などを用いて、内親王の死後の苦しみや妄執を強調する演出もありますが、今回の印象としては内親王らしい上品さを保っているように思えました。
前場も深井などの面に無紅の唐織を使う演出もありますが、この公演ではそれも若い女と表現していました。
妄執とか苦しみといったものを、ドロドロしたものとして強調するよりも、全体を恋物語と捉えて整理しているような印象です。

シテ、ワキの掛け合いから地謡となり、読経の功徳によって「定家葛もかかる涙も ほろほろと解け拡ごれば よろよろと足弱車の」と立ち上がり、塚を出て正中でワキに合掌します。さらに常座に進むと「面なの舞の」と謡って序ノ舞になります。

成仏報恩の舞ということになりますが、ゆったりと気品の漂う舞を舞上げると、地謡の「葛城の神姿」でワキに向かって正中でツメて抱エ扇。「ありつる所に帰る」と塚に向かってユウケンし、塚に寄ると地謡側から塚に入って正を向き、正面に塚を出、もう一度、さらにもう一度と三度塚に入り直して「形は埋もれて失せにけり」と塚の内に下居して留となりました。
(122分:当日の上演時間を記しておきます)

駒瀬さんは内弟子さんの頃から存じ上げておりますが、なかなかシテで拝見する機会がなくて六年ぶりでしょうか。主催されるこの能楽BASARAの開催が、たまたま都合のつき難い時期のため、いささか残念です。趣きある芸風で、もっと人気があってもよさそうに思うのですが、見所もやや空席が見え勿体ないと思う次第。来年の盛会をお祈りしています。

なお、いつぞや話題にした高島俊男さんの本によれば、実名というのは訓で読むものだが、音読するのは敬意を表すことにもなるのだそうです。「定家」も自分では「さだいえ」と名乗り、周囲が敬って「ていか」と音読すると、まあそういうことらしい。しかも訓での読みはよく分からないというのが本当のところで、定家は良いとしても、幕末の川慶喜など、明治時代の記録をみると「よしひさ」という訓もかなり一般的だったそうです。
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/1644-9441426e

 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-07 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。