能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

清経のつづき

突然訪ねてきた粟津の三郎と迎えた清経の妻とのやり取りは、下掛りの方が少しだけ長いようです。上掛りの本だと、ワキを招じ入れたツレが何のための使いかと問い、直ちにワキが「面目もなき」使いであると述べてのやり取りになりますが、下掛りの本ではツレの問いかけに、ワキは何と申し上げて良いかと迷う様を一句謡って言い出せない様子を示し、ツレが不審がるやり取りがあります。

ともかくもワキが清経の遺髪をツレに渡してのやり取りが進み、地謡でその遺髪をツレがワキに返したことが謡われてワキが静かに切戸口から退場します。この地謡「涙とともに思い寝の夢になりとも見え給へと」と謡って、ここから清経の妻が見る夢のうちになっていくわけです。
前回の鑑賞記は音取の小書ですので、この地謡のうちに笛の吹き出しとなり、その笛にひかれるようにシテが姿を現して、橋掛りを進んでは、笛の音が止まってしばしシテも佇むという独特の演出でした。一方、今回は小書無しの形ですので、地謡のうちにワキと入れ替わるようにシテが姿を現し「枕や恋を知らすらん」の地謡いっぱいに、常座まで出てシテのサシ謡となります。音晴さんのサシ謡は一句ごとの間がいささか大きな感じで、宝生流の謡を思い起こさせるような雰囲気ですが、それだけ一句ごとに思いを込めてということかも知れません。

白大口に厚板、紺地に源氏香文様の長絹を肩脱ぎにし、右折の烏帽子に白鉢巻きという出立で、しっかりした立ち姿です。型通り床几にかかってのやり取りから、クセの手前「一門は 気を失い」で立ち上がってクセからキリへと所作が続きます。

今回、このあたりはメモも取らずただ舞台を観ておりましたが、戦いの所作あり、入水にいたる清経の思いを横笛に託した型もあり、しみじみと面白い曲だと感じたところです。やはり人気曲、上演回数の多い曲というのは、それなりの理由があるのだなあと納得したところでした。
(64分:当日の上演時間を記しておきます)
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