能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

三山のつづき

いやあ、年末のここに来て、どうやら食中毒になったらしく、この数日は苦しい状況となりました。
お正月が目前なのに・・・いやはや、今年一年を象徴するような一件であります。
本日は、少しだけ落ち着いてきたので、三山の鑑賞記の続きを書いてみます。
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大和にやってきたワキの一行、このあたりは三山といって名所があると聞いているので、ところの人に聞いてみようと言って、ワキが常座からアイに呼び掛けます。

呼ばれて、アイ「ところの人」の高野和憲さんが進み出ます。
ワキが、三山という名所があると聞いたので教えてほしいと問いかけると、アイがこれに答えます。三山というのは一つの山の名ではなく、北に見える耳成山、南に見える天の香具山、西に見える畝傍山の三つの山を、三山と言うのだと答え、心静かに眺めるように勧めます。「重ねて御用もあらば・・・云々」のやり取りの後にアイが下がり、ワキ一行がワキ座に向かおうとすると、シテの呼び掛けとなります。

シテは幕前に出ると少しずつ橋掛りを進みながら、知っている人は少ないが、この山は万葉集第一に詠まれている三山の一つ、耳成山ともみなし山ともいう山で、妄執の物語があるのだと述べます。
一ノ松手前あたりで立ち止まって正面方を向くと、耳成山の池水に沈んだ人の昔の話を聞くようにと、ワキに求める形で謡います。
ワキは、たしかに万葉集では大和に三山があり、香久山が夫、畝傍、耳成山は女で、争いがあったと書かれていることを思いだし、その子細を教えてほしいと問いかけます。

常座に出たシテは「まづ南に見えたるは香久山」と正面を見、角柱の方に向きを換えつつ「西に見えたるは畝傍山」、さらにワキ正を向いて「この耳成までは」と三つの山を順に見る形で、ワキもこれに合わせて三つの山を見る風情です。
シテ、ワキの問答の形で、香久山に住む男が、畝傍山の桜子と耳成山の桂子、二人の女に二道かけて通ったいきさつが語られ、シテは争いの末に桂子が池水に身を沈めた跡を弔ってほしいとワキに求める形になります。

ワキが、なおも三山の謂われを詳しく物語るように求め、地のクリでシテは大小前から正中に出て下居、ワキがワキ座に着座してシテのサシ、地謡と続き、クセへと桜子、桂子の争いが謡われます。居グセで桂子のつらい思いが謡われ、上げ端の後「この夕暮を限りぞと」と聞き「思い定めて」と立ち上がると謡に合わせ迷う様を見せ、「身を投げ空しくなり果てて」と素早く右一足を出して戻し、池水に身を投げた風で「池水の底に入りにけり」と中入になりました。
このつづきまた明日に
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