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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

狂言の関わり・・・花月のつづき

自然居士などと同様に、この曲では狂言の役割が重要になっています。
ワキに、何か面白いものを見せてくれと呼び掛けられて、シテの花月を招く形になりますが、ワキとの問答から、登場したシテとの問答へと、狂言を中心に物語が展開する感じです。


野村扇丞さん、いつもながら真面目な芸風ですが、さらに熱演の風。舞台との距離が近いので余計にそう感じたのかもしれませんが・・・


狂言に呼び出されるようにしてシテが登場してきますが、花月は喝食ということで、少年の設定です。このため二十歳前など、お若い能楽師が演じられることの多い曲でもあり、直面・・・面を着けずに演じることも少なくありません。
しかし本日は粟谷能夫さんという、円熟の域に達したシテなので、また別の趣があります。声を引き立てて少年の雰囲気を出すという演出もありますが、落ち着いた雰囲気を大切にされている印象を持ちました。


左手に弓、右手には矢を持ち、水衣を肩上げにし色大口に烏帽子姿のシテは、登場してくると自らの名前「花月」の由来を述べます。
この花月の由来、月は常住としても、花(くゎ)は、春は花、夏は瓜、秋は果、冬は火、と数え上げますが、これも芸の一つ。この後、小歌、弓ノ段、曲舞、鞨鼓などなど、芸尽くしが続きます。


それにしても特異なのが、この名宣リに続く小歌です。
「来し方より、今の世までも絶えせぬものハ、恋と云へる曲者」という謡ですが、これはどうやら当時の流行歌だったらしく、節使いも拍子も、能の謡としては破格です。
「身は、さらさら、さらさら、さらに」と続く中に、二度目のさらさらの頭の「さ」を、「さ、あー、あー、あー、あー、あー、あー」と引いて謡う節回しは大変印象的。
しかもアイは扇を広げて口に当て、シテは後から右手をアイの背に回しそっと肩を抱く風情で、ともに舞台を巡ります。
これはなかなか怪しい場面ですね。
なお、この小歌、観世では「来し方より」の一句をシテが謡い、その後を地謡が続けますが、下掛りでは「来し方より」の一句をアイが謡うようで、本日も扇丞さんの謡から始まりました。
つづきはまた明日に

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