能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

木曽の続き

一同が着座すると池田役の馬野さんが進み出て、正中で詞となります。
義仲の軍が白旗を多数立てたために、平家が取り籠められては大変と砺波山の山中に陣を取ったという報告です。これを聞いて義仲は、今夜にも押し寄せようと池田に命じます。

さて義仲は、北の山中に社が見えるが如何なる神かと池田に問いかけます。池田が埴生の八幡宮であるとこと答え、義仲は特に考えずに陣取りをしたところが偶々八幡の地であったとは吉兆だと喜んで、覚明を呼びます。
八幡神は言わずと知れた源氏の氏神ですから、吉兆という義仲の詞は当然のもの。

さて進み出たシテ覚明に対し、義仲が願書を奉納しようと思うが如何にと問い、覚明が「然るべう候」と答えると、義仲は願書を書くようにと覚明に命じます。
シテは直垂上下に袈裟頭巾で頭を包み、立ち上がって一度後見座に向かいます。ここで文を受け取ると角に出て座し、文を広げて地謡に合わせ願書を書く形となります。

願書を書き終えた風で「御前に於いて讀み上ぐる」の地謡に続き「南無帰命頂禮八幡大菩薩は 日城朝廷の本主 累世名君の曩祖たり」と願書を謡い出します。難しい言葉が連ねられたものですが、これを堂々と謡いつつ、願書を読み上げるさまで徐々に文の目を通すところを動かしていきます。
最後は「壽永二年五月日と 高らかに讀み上げたり」と謡いつつ、両手に広げた願書を持ち上げて捧げる形にし、地謡のうちに畳んで義仲に向き直ります。義仲は背から矢を一本取ってシテに差し出し、シテが義仲に寄ってこれを受け取り左手に持って立ち上がります。「内陣に納めよ」という地謡に合わせ、シテは願書と矢を後見に渡して正中に立ち、願書と上差の鏑を奉納したことを告げます。

義仲が覚明に酌をを求め、さらに一差し舞うようにと所望します。
シテがこれを受けて、両袖の褄を取って立ち答拝して男舞です。今回は恐之舞の小書が付いており、ワキ座の義仲を憚るような形で舞が進行します。
舞上げると、地謡が謡う八幡の霊験、山鳩が味方の旗手に飛び翔り八幡神納受の證とみえたことに、一同が両手を突いて伏し義仲が合掌。
シテは立って留拍子を踏むと正中に出て義仲に向かい、両手を突いて拝し、義仲が立ち上がって進むと、シテ以下が続いて退場しました。

この曲では小書が付くと直垂上下の装束にすることが多いようですが、法被・半切が本来の形のように思われます。
喜正さんは堂々たる演技で覚明を演じられましたが、さて能となると、この曲はなんともとらえどころが難しいところで、願書と舞はあるものの、今一つ構成が盛り上がりません。覚明の人物像も見えないし、観世以外の流儀が現行曲としていないのも納得いく感じがしました。
(43分:当日の上演時間を記しておきます)
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