能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

船弁慶またつづき

この日は船中之語の小書が付いているため、アイの萬斎さんがワキ弁慶の閑さんに戦の様子を語ってくれるように求め、これに答えてワキが一ノ谷の戦いの様子を語ります。
さらに続いて、ワキがアイに唄を歌うようにと求め、狂言の楽と思われる囃子が入ってから、アイが歌います。こちらは狂言方の小書で舟唄。
いずれも私は初めてでしたが、それぞれに聞かせ所。
書き取れるとよかったのですが、さすがに無理。舟唄の方は「やらめでたや やらめでたや」と謡い出し「波風静かに漕ぎ寄する」と長閑に歌う様子でした。

通常はアイが船を漕ぎ出した後、ワキが「風が変わった」と口にすると、ワキツレの一人が「船に妖怪(アヤカシ)が憑いた」と言って怯える様子を示しますが、このワキツレのやり取りはありませんでした。
少し端折らないと、あまりに長大になってしまうからかも知れません。
喜多流の粟谷明生さんが書いておられるところでは、伯父様にあたる故粟谷新太郎さんのシテで真之伝・浪間之拍子・船中之語・早装束・舟歌と小書満載の船弁慶を演じた際、なんと二時間二十分かかったそうです。それはさすがに観ている方も大変だったでしょうね。

とまれ、この日はワキツレの台詞はなくワキの台詞となり、海上に平家の一門が浮かび出た様が謡われると、子方が弁慶を呼んで今更驚くなと謡い、地謡に。
「主上を始め奉り一門の月卿雲霞の如く」の謡に、幕が巻き上げられてシテが出ると幕が静かに下ろされます。

シテはいわゆる白式の形で、白基調の装束になります。幕前に立ったまま「そもそもこれは 桓武天皇九代の後胤 平の知盛幽霊なり」と謡い、詞の後の地謡で一度幕内に下がります。ここからあらためて早笛の囃子にのって走り出て舞台に進み、舞働へと進んで行きます。
波を蹴る足、流足など、技巧を凝らした舞事の末に、子方義経と手合わせ。弁慶の祈りに追われて、橋掛りから幕に入り、弁慶が進み出て留となる形です。
やっぱり船弁慶は面白い、とまたまた思った一番でした。
(99分:当日の上演時間を記しておきます)
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