能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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雲雀山のつづき

翌年、都に戻った豊成に連れ戻され、隠棲生活から晴れて都に戻った姫は『称讃浄土経』の写経をはじめます。千巻の写経を成し遂げた16才のある日、西の空、夕陽の中に阿弥陀仏が浮かび上がり、夕空一面に極楽浄土の光景が広がるのを見ました。
その光景に心を奪われた姫は、夕陽の中に見た仏様に仕えたいという一念で都を離れ、観音を念じながら歩いてたどり着いたのが、二上山の麓、当麻寺です。

当時の当麻寺は男僧の修行道場で女人禁制でしたが、姫は門前の石の上で一心に読経を続け、その石に読経の功徳で姫の足跡が刻まれます。この奇跡に心を打たれた当麻寺別当実雅和尚が、女人禁制を解いて姫を迎え入れ、翌年、剃髪の儀が執り行われて姫は法如という名を授かり尼僧となりました。

剃髪の翌日、姫は剃り落とした髪を糸にして、阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の梵字を刺繍し、夕陽の中に見た阿弥陀仏の姿、夕空に広がった浄土の姿を今一度拝ませて欲しいと一心に願ったといわれています。
その想いに仏の応えがあったのか、翌日、一人の老尼が現れ「蓮の茎を集めよ」と告げました。父豊成公の協力を得て諸国から蓮の茎を取り寄せたところ、数日で百駄ほどの蓮茎が集まりました。再び現れた老尼とともに、姫が蓮茎より糸を取り出し、その糸を井戸で清めると、不思議にも五色に染め上がったといいます。

数日後の黄昏時、ひとりの若い女性が現れ、五色に染まった糸を確認すると、姫を連れて千手堂の中へ入り、三時(みとき)の時間が過ぎた後、姫の目の前には五色の巨大な織物ができあがっていました。織物には姫がかつて夕空に見た輝かしい浄土が表されていました。これが国宝である綴織当麻曼荼羅です。

織物の中央に阿弥陀如来。左右に観音、勢至の両菩薩。さらにさまざまな聖衆が集っており、周囲には『観無量寿経』に説かれている釈迦の教えも描かれています。曼荼羅の輝きに心を救われた法如、すなわち中将姫は、人々にその教えを説き続け、29才の春に不思議にもその身のまま極楽浄土へ旅立たれたと伝えられています。
と、かいつまんで中将姫の伝説を記しました。

当麻寺の伝承が起源の伝説ですが、この話が広く伝えられるようになったのは、まさに世阿弥の作といわれる雲雀山、当麻の二曲によるものです。その後、浄瑠璃、文楽、歌舞伎と中将姫が取り上げられていますが、そうしたきっかけとなったこの曲、いささか感慨深いものがあります。このつづきはまた明日に
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