能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

芦刈さらにさらにつづき

シテ、ワキの問答では、ワキが「よしとあしとは同じ草にて候か」と、芦の名にまつわる問いを発し、シテは薄も穂が出ると尾花とも言うだろうと返事をしたり、難波では芦というが伊勢では浜荻というなどといったやり取りもあって、ちょっと面白い問答です。

シテの「芦という」から地謡となり、芦をめぐっての謡のうちに足拍子、芦を両手に捧げてワキに勧めたり、あるいは芦を刈る所作を見せたりなどしつつ、舞台を廻って常座にと戻ります。
ワキが話を変え、御津の浜とはどこかと尋ねます。シテが「忝くも御津の浜の御在所はあれにて候」と指し示すと、ワキはその場所よりも「忝くも」というシテの言いに気を留めます。

シテの返しで、難波の浦は仁徳天皇が皇居を置いたゆえに御津の浜ということが示されます。海辺の宮なので、漁村の篝火まで禁裏の灯火かと見えたことを述べ、「や」と一声でワキを向いて語っていた形から、シテは目を目付の方に転じます。
ここから笠之段「あれご覧ぜよ御津の浜に 網子調ふる網船の えいやえいやと寄せ来たるぞや」とシテが謡って地謡に。非常に調子の良い、聞いても観ても面白い部分です。

笠之段は仕舞でもよく演じられる部分。「海士の小舟なるらん」までは御津の浦の景色を見せるところで、舞台上に浜辺の景色が拡がるかどうかはシテの力量というところ。
上げ扇で「雨に着る」から今度は笠尽くしになります。
足拍子の多い舞いで、さらに手に持った笠を様々に使います。この最後あたりで「風のあげたる古簾」と、目付で、通常のクセの終わり近くに扇をかざすように、右手に持った笠をあげてかざす形にします。
この部分、笠を投げ上げる型があり、もともとこの曲ではその投げる型の方が一般的だったようです。とある本にも「投げないこともある」とあります。

この点について右京さんの「能楽藝話」に「私が六つか七つの頃です。父が舞台で芦刈の稽古をしていました。風のあげたる古すだれと笠を投げる型がありますね。あれは古簾が風にまき上がるのをうつす心です。普通は笠を捨てるだけですが、父はそれを高く上げてクルクルと廻して、消えて無くなる心で稽古していました。上からクルクルと廻って落ちてきて、スーツと消えてなくなる風に見えました。ですからシテ自身が、つれづれもなきと舞台を廻る間、笠は宙で廻っていました。今でもその鮮やかさは目に残っていますが、私には真似出来ません」という話があり、大変興味深いところです。
さてこの曲、もう一日明日につづきます
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