能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

安達原のつづき

この曲の作り物は極めて重要な位置づけで、冒頭、引廻しを掛けた作り物に入ったまま、シテが登場し、ワキ阿闍梨の一行が登場して宿を借りようとすると引廻しが下ろされてシテが姿を現す。この時点ではシテの住む小屋の設定です。
それが問答の末、ワキの一行が小屋の内に招じ入れられると、舞台全体が小屋の中となり、作り物はシテの閨を示すわけです。
今回、特に演出上の変化などは感じませんでしたが、こうした舞台空間の扱いは能の能らしいところと思います。

白頭ですので、前シテも姥の扱いですが、装束など記録しておりませんし記憶があやふやです。ともかくも枠かせ輪が目付に出されて、これを回しつつ様々に思いを述べる糸繰りの段が前場の重要な部分になります。
ここから、あまりの夜寒に薪を取ってこようと、シテが出かけることになるわけですが、この時に枠かせ輪が目付に置かれているか、正先かで雰囲気が違ってくる点は、以前に書いた通りです。

ともかくも立ち上がったシテは、途中で「や」と足を止め、ワキに閨の中を見るなと言います。以前にもふれていますが、ワキが見ることはないと否定すると、下掛りの本ではそのまま中入となりますが、上掛りではさらにワキツレ従僧にも念を押す形になっています。今回も、一度ワキが返答した後、あら嬉やと一安心した風の後、さらに一、二足進んでから、かまへてご覧じ候ふな、とさらに念を押し、ワキツレには此方の客僧もご覧じ候ふなと声をかけて返事をさせます。いささかくどい感じがするところですが、それだけ「見るな」という禁忌を強調したということでしょう。

後シテは白頭、急進之出の小書ですので、白頭に負い柴で、早笛で幕が上がると一度橋掛りを進み出て阿闍梨一行を捜すように見て退り、幕内まで下がったところから一気に走り出てきます。喜多流には急進之出の小書がありませんが、ブログにも取り上げた粟谷明生さんの日立での公演で、この観世の急進之出同様の出方をされたのは、粟谷能の会のレポートに詳しいところです。

ワキとの激しいイノリの所作の後、祈り落とされた後、走り込んでワキ留の形となります。このあたりは小書が付かなくとも、様々な形があるところで、舞台上で留、橋掛りでの留、走り込んでのワキ留と、見られます。
いずれまた、観世の安達ヶ原を観る機会があれば、細かいところなども記しておこうと思います。
なお当日の附け祝言は猩々。附け祝言の猩々は久しぶりで聞きました。
(70分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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