能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

夕顔のつづき

源氏がふと気付くと、枕元に美しい女が座っています。美しい女は恨み言を述べると源氏の横に伏している夕顔を起こそうとします。ここで、源氏は夢から覚めますが、何やら物の怪に襲われたような気分。灯火も消えています。

源氏は起き出して宿直の者を呼ぼうとしますが、夕顔は震えて正気を失っている様子です。ともかくも外の様子などを確認しようと源氏が立ち上がり、宿直の者と言葉を交わしたりなどして戻ってくると、既に夕顔はぐったりして息もしていません。
ようやく迎えた朝、やって来た惟光に後の始末を任せますが、こうして夕顔の女は荒れ果てた何某の院の一夜、儚い命を閉じたという話です。

この夕顔の女は、「帚木」の「雨夜の品定め」で頭中将が語った「常夏(ナデシコの古名)の女」なのですが、後々、この夕顔と頭中将の娘である玉鬘が成長して物語に登場してきます。これはいつぞや玉葛の鑑賞記に書いたところです。
また、この夕顔の事件の起きた荒れ果てた「何某の院」は、融大臣の河原の院をモデルにしたものと言われていますが、物語はあくまで「なにがしの院」とし名を記しません。
さらに不思議なことに、源氏の枕元に立った美しい女が誰であるのか、これが物語では明かされないままです。前後の辻褄から言えば六条御息所の生き霊かと思われるのですが、ここでは明らかにしないことに物語の膨らみがあるのかも知れません。

ともかく、この夕顔の女をシテとして一曲に仕上げたのが、この夕顔という曲。
さて仙幸さんの名宣笛で登場したワキ僧の宝生閑さん、ワキツレ従僧の欣哉さんと野口琢弘さんが静かに橋掛りを進みます。ワキ僧のみが舞台に入り、正中をやや常座側に外して作り物の正面を避ける形に立ち、ワキツレ二人は一ノ松あたりに着座して控える形でワキの名乗りです。

九州豊後国から出た僧と名乗りますが、いかにも穏やかにゆったりした名乗りで、この曲の気分をあらわす感じです。名乗りの終わりにワキツレが立ち上がって、ワキのサシ謡の間に舞台に入り、ワキが地謡側、ワキツレがワキ正側に向き合って立つ形で「雲の林の夕日影」から三人で謡います。
道行の終わり「尋ね訪ひてぞ暮らしける」で、ワキ、ワキツレはワキ座に到り「この所に休らい・・・」と着きゼリフ。
つづいて作り物の中から「山乃端の 心も知らで 行く月は 上の空にて 影や絶えなん」とシテが謡い出します。
さてこのつづきはまた明日に
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