能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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松浦佐用姫 観世喜正(九皐会別会)

観世流 国立能楽堂 2012.10.06
 シテ 観世喜正
  ワキ 舘田善博
  アイ 野村万禄
   大鼓 柿原弘和、小鼓 鵜澤洋太郎
   笛 一噌隆之

この松浦佐用姫という曲は、観世宗家に世阿弥の自筆本が伝えられているそうで、世阿弥の作であることは間違いないようです。しかしどういう子細か長く廃曲になっていまして、もちろん他流も演じません。日本名著全集『謡曲三百五十番集』などには「松浦」として出ていますが、これは自筆本からおこしたようで「サシコト」といった表記や「女釣竿持つべし、姿水衣」などといったト書きのようなものも記載されています。

昭和38年に当時の宗家二十五世観世左近(当時は元正を名乗っていましたが)が復曲、さらに58年に大槻文蔵さんが復曲しています。この二度目の復曲の後は度々再演されて演目として定着し、平成12年に正式に観世流の演目とされました。私の持っている観世流續百番集は平成13年の版ですので、乱曲、三曲の後に、「求塚」「三山」そして一番最後に「松浦佐用姫」が収録されています。

さてそれではいったいどんな話なのかということですが、万葉集に松浦佐用姫を詠んだ歌として
 遠つ人松浦佐用姫夫恋ひに領巾振りしより負へる山の名(万葉集巻五871)
 原文(得保都必等 麻通良佐用比米 都麻胡非尓 比例布利之用利 於返流夜麻能奈)

 海原の沖行く船を帰れとか領巾振らしけむ松浦佐用姫 (万葉集巻五874)
 原文(宇奈波良能 意吉由久布祢遠 可弊礼等加 比礼布良斯家武 麻都良佐欲比賣)

などがあり、また肥前国風土記にも松浦佐用姫をめぐる伝説が記載されているそうですが、こちらは原文にあたっておりません。(874番の歌は山上憶良の作で後ほど登場します)
万葉集871番には、「大伴佐提比古郎子 特被朝命奉使藩國 艤棹言歸 稍赴蒼波 妾也松浦[佐用嬪面] 嗟此別易 歎彼會難 即登高山之嶺 遥望離去之船 悵然断肝<黯>然銷魂 遂脱領巾麾之 傍者莫不流涕 因号此山曰領巾麾之嶺也 乃作歌曰」とあって、極めて簡単ながら大伴佐提比古郎子(大友狭手彦)と松浦佐用姫の話であることが分かりますが、この能ではどういう話と捉えているのか、舞台の順とは異なりますが、間語りをもとに書いてみようと思います。
明日につづきます
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