能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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安宅さらにさらにつづき

シテはワキと問答しつつ常座に出て子方を見込み、強力のせいで関を越えられないとは腹立たしいと金剛杖で打擲する型です。
シテが子方を促して立たせ杖を手に正中に出ると、同山九人が弁慶に続き、ワキに向かって押し寄せる態。これを先頭に立った弁慶が金剛杖を持ちつつ堪える形になり「勇みかかれる有様は 如何なる天魔鬼神も恐れつべうぞ見えたる」と富樫、従者に迫ります。
弁慶、同山は一団となってワキに迫りますが、弁慶以下、前方のツレは堪え、一方で後側はぐいぐいと迫る様子になります。同山九人のため、最後の一人は真後ろからガンガンと押していく形です。

この勢いにワキが、はやはや通り候えと言って一同を通し、舞台上に展開した一同は関近くの山中で休んでいる形になります。
シテ、子方が言葉を交わしている内にワキ、アドアイは橋掛りへと進みます。

この後、地謡のクリからサシ、クセと続くところですが、ここは省略されてワキの言葉になり、アドアイに関を通り過ぎた山伏を追いかけ、先ほどの詫びに酒を届けるようにと命じます。このクリ、サシ、クセの部分は、関をなんとか逃れたところで、この数年の来し方を振り返り一行がしみじみと運命を思いやる場面、省略するには勿体ない感じもするのですが、小書がつくと省略されることが多く、大坪さんの延年之舞の際も省略されました。
その分だけ、この後の舞へ舞台の緊張が凝縮されることも確かでしょう。

さて、橋掛り入り口でアドアイとオモアイのやり取りがあり、この間に子方が立ってそっと後見座にクツロギます。シテ弁慶が自ら立って応対をし、富樫と従者が舞台に入ってワキ座に進み、シテは立って一ノ松へと進んで「げにげにこれも心得たり」と謡い出します。地謡が「怪しめらるな面々と」と謡い始める中、一同は下居し、ワキはシテに寄ります。シテは正中に出てワキから盃を受け「面白や山水に」と謡うと、地謡で立ち上がり、目付に進んで「盃を浮かめては」と扇を落として下がって立ちます。滝流の小書の演出で、盃を流れに浮かべた様を見せ、「もとより弁慶は三塔の遊僧」と左袖撒いて扇を見込み、扇に寄って足拍子、下がって大小前で左右。地謡の「鳴るは滝の水」で答拝して男舞に入ります。
既に扇を舞台に落としているので、男舞は数珠だけで舞う形です。またシテの「たべ酔いて候ほどに」からのワキとのやり取りも省略されています。

男舞は勇壮に舞われますが、二段で調子が盤渉に上がり、橋掛りへ進むと欄干下に水の流れを見て曲水の盃を追うような型が入ります。そこから舞台に戻り、舞は二段で舞上げて扇を拾い上げます。

シテのワカ「鳴るは瀧の水」地謡が大ノリの謡になり、シテが扇で舞うなか「笈をおっ取り 肩にうち懸け」と子方以下、同山一同幕に走り込み、シテの留となりました。
最後の部分が小書のためだいぶん変化していますが、緊張感のある面白い演出でした。遠藤さんも熱演でした。子方以下が走り込む様子は、邯鄲の楽の終わりをふと思い出させる形です。
(85分:当日の上演時間を記しておきます)
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