能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

女郎花さらにさらにつづき

ワキの問いに、シテは男塚、女塚の謂われを語り出し「此方へ御入り候へ」とワキ正へ向かって二足ほど出ます。ワキもワキ正方を見ると、シテはこれが男塚と示し、今度は二人してワキ柱の方を見て、こちらは女塚と示します。この男塚女塚について女郎花の謂われもあるのだが、この塚の主は夫婦の者と教えます。ワキがどこの国の何という苗字の人かと問うと、シテの返事で、女は都の人、男はこの八幡山に小野の頼風という人と答えます。
「恥ずかしや古を」と謡ってシテは下向き加減。地謡となり、ワキ向いてシテは二三足出、これに合わせてワキは二三足下がります。ワキが着座し、シテは舞台を廻って常座へ。「夢の如くに失せにけり」と中入になりました。

笛が森田流のため送リはなく、静かにシテが幕に入ると長上下のアイが登場。常座で八幡山下(さんげ)に住まいする者と名乗って、久しぶりに社参すると言って目付に出、ワキを認めます。
型通りにワキがアイに問いかけ、アイが頼風夫婦のことを語ることになります。

この八幡山に小野頼風という人がいたが、訴訟があって長らく京に滞在し女と関係が出来た。訴訟が済んだら八幡に連れて帰ると頼風は約束したが、さて訴訟が終わると頼風は八幡へと帰って行った。
女は都を出て頼風を尋ねたが、たまたま頼風は社参のため留守で、屋敷の者達は女を追い出してしまった。このため女は頼風が心変わりしたものと思い込んで、近くの放生川に身を投げてしまった。
さて社参の帰り、頼風が放生川を通ると女が死んだと騒いでいる。そこで見に行ってみると、身を投げて死んでいたのは都の女だった。たまたまの留守を勘違いしてしんでしまうとは、と嘆いた頼風は、自身も川に身を投げて死んでしまった。
人々は二人の遺骸を引き上げて塚の内に突き込めたが、これが男塚、女塚である。
その女塚から女郎花が咲き、このあたりの名草となったのだ、と子細を語ります。
この後は型通りのやり取りで、ワキが頼風夫婦の霊を弔うことになり、アイが退場します。

さてこの男塚、女塚は、今も残っているようですが、小野頼風という人が実在の人なのか、お話の中だけのことなのか、このあたりはどうもはっきりしません。
「架空の人物」と明記している資料もあれば、実在の人らしく書かれているものもあります。ともかく16世紀初頭に書かれた連歌師宗碩の「藻塩草」にも取り上げられているということなので、それ以前から伝えられていた話なのでしょう。この能は世阿弥作とも言われますが亀阿弥の作というのが本当のようです。
ともかくも、後シテの出はまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/1833-5bfd9559

 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-11 | »
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad