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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

涙のわかれ・・・巴さらにつづき

一日おいてしまいましたが、巴の最後です。


後シテは長刀を持ち、烏帽子を着けた軍装姿。甲冑を着けた姿を現しています。
登場して一ノ松に長刀を突いて立ちサシを謡い出しますが、舞台に入ってワキに回向の感謝を述べます。
シテはその後、巴が最後まで義仲と同行しながらも、女であるために義仲の最後に付き従えなかった怨みから、今もこの義仲終焉の地にとどまっているとシオリます。
そこから床几にかけての語り、さらに長刀を振っての仕方話へと展開します。


実はこの途中で烏帽子が前に下がってしまって、シテ自身は見えるのかどうか不明でしたが、どうも気にる状況でした。しかし橋掛りに入ってから舞台に戻るところで、シテの山井さんご自身が直されました。
・・・その後の休憩時間に、楽屋近くで山井さんが親しい観客の方と話しておられて「すぐに気付いて頃合いをみて直したら、どなたか『あ、自分で直した』と言う声が聞こえた」などと話しておられました。舞台と客席が近いせいか、演者からも観客が良く見えるんですねえ・・・


通常の修羅物では、シテは戦乱で死んだ武将ですから、仕方話の後はワキにさらなる回向を頼んで姿を消すというのが一般的な形ですね。
しかしこの曲では、こののちシテは長刀を捨て、烏帽子・太刀を置いて、女の姿で落ちのびるところを演じます。
自らが奮戦している間に、義仲は自害しており、その死骸に別れを告げて落ちのびるという設定。これは平家物語とは違うストーリーになっていますが、劇としてはこの展開の方が絵になる・・・ということでしょう。


さて女の姿に戻った後をどう演じるのかは、これはいろいろと考えがあろうかと思いますが、持った笠を投げ捨てる所作などもあり、義仲の最後から遠ざけられた怨み、その執心をテーマにしての演技だったようです。
この辺りは、関根祥人さんとは違った解釈ということですが、確かに謡の文句からみればこの方が素直な解釈で、巴の演出としては一般的かもしれませんね。

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