能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

檀風のつづき

囃子方、地謡が着座すると、ツレ日野資朝の武田孝史さん、ワキツレ本間の殿田謙吉さん、輿舁の森常太郎さんと野口琢弘さん、そしてアイ太刀持ちの野村万蔵さんが登場してきます。ツレ武田さんは浅葱の色大口に掛絡を懸けモギ胴の出立。輿舁が後につきワキ座まで進んで床几にかかります。
一緒に出て鏡板にクツロイでいたワキツレ本間が、あらためて立ち上がり、常座に出て名乗りになります。

実はここから既に詞章が微妙に違う、それも本間と資朝の関係を暗示する部分に違いがあるように思えます。
上掛の本では、本間三郎と名乗ったワキツレは、「壬生の大納言資朝卿」を預かり、「いろいろいたわり申す所」に、鎌倉から飛脚を立て急ぎ誅し申せとのことなので、「いたわしながら」明日浜の上野で誅する。これを資朝に申そうと思うと述べます。

一方、下掛の本では、本間の何某と名乗り「日野の中納言資朝卿」を預かったが、都より飛脚が立って急ぎ誅し申せとのことであるので、番のことを固く申しつけようと思うと述べます。
上掛の本だと、本間が資朝を「いたわしく思い」なにかと「いたわっている」ことが織り込まれていて、本間と資朝の間に心の通い合いが感じらるところです。

この後、本間はアイを呼び出しますが、呼ばれて出たアイに、番の段を遺漏なく果たし、誰も会わせるなと念押しして地謡前に下がります。アイが笛座前に下がって次第の囃子。ワキ帥の阿闍梨と子方梅若の登場になります。

白大口に厚板の梅若が先に立ち、後から出たワキは白大口に水衣、篠懸をかけ兜巾を着けた山伏姿。子方が二の松まで進んで振り返ると、幕前のワキと向き合って次第の謡です。謡い終えるとワキが幕前で正を向き、都東山今熊野梛の木の坊に帥の阿闍梨と申す客僧にて候と名乗ります。
上掛の本では「山伏」と書かれていますが、客僧は実質的に山伏なので、この辺りは特に詞の使い分けの考え方はなさそうです。
ともかくも明日につづきます
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