能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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檀風さらにさらにつづき

独り言を言う資朝に本間が声をかけ、問答になります。本間は都より飛脚が立ち、疾く誅し申すようにとのことであったと資朝に告げます。資朝はこれを聞いて、長らえて人に面を晒すよりも早く誅せられたいというのが望みであると答えます。

本間は資朝の返事を聞いて「御諚ゆゆしく候」と答えた後、悦ばしいことがあるとして、帥の阿闍梨が資朝の子息を伴ってきたので、対面するようにと勧めます。しかし資朝はこれを断り、自分は子を持たないと否定して、追い返してほしいと言います。

本間は驚きますが、それでは早速追い返そうと答えます。しかし資朝が、都の者と聞けば懐かしいので、物陰から姿を見たいと言い、本間はこれを許します。
本間が「さらば御覧候へ」と、立ち上がったツレの横に立って、扇を広げて動かし戸を開けた風の所作を見せます。するとツレがシオリ、これを見て本間は、どうして涙したのかと問いかけます。
資朝は、その子の父も流罪になり、配所を聞き違えて遙々来たのだろうと思うと、不憫さに泣けてしまったのだと答え、急いで追い返してほしいと本間に求めます。

このやり取り、上掛の本もほぼ同じ展開ではあるのですが、資朝の独り言の後、本間が声をかける際に、鎌倉より飛脚が来て急ぎ誅し申せとのことなので「明日浜の上野に御共申し 御いたはしながら誅し申し候べし」という章句が入っています。これの有る無しで印象が変わるのがお分かりいただけると思います。

さらにこの後は、資朝に追い返してほしいと言われた本間とワキ阿闍梨とのやり取りになりますが、そのやり取りを下掛と上掛のそれぞれに意訳すると
下掛:
本間:申し出の通りを資朝卿に伝えたが、子供は無いと仰った。どうして軽率なことを言うのか。
阿闍梨:それは不思議だ。私が行った通りに伝えてくれれば、そんなことは仰らないだろう。
本間:なに、申し出の通りを私が言わなかったというのか。侍ほどのものが、一度言ったことを直ぐに変えるようなことがあるものか。資朝卿は物陰から様子をご覧になって、我が子では無いとはっきり仰った。そのうえ資朝卿に子供は無いそうだ。まったく初めから軽率な山伏だ。このうえは弓矢八幡の神も照覧いただき何事も申し出は聞き入れない。
阿闍梨:いやそれは余りに情けないではないか
本間:いやいや、とにかくもう聞き入れないぞ

上掛:
本間:申し出の通りを資朝卿に伝えたが、子供は無いと仰った。どうして軽率なことを言うのか。
阿闍梨:それは不思議だ。私が行った通りに伝えてくれれば、そんなことは仰らないだろう。
本間:言語道断、口惜しいことを言うものだ。弓矢八幡の神に誓ってねんごろに伝えたが、それでも資朝卿は子が無いと仰ったのだ。私はもう知らない。

ならべてみると印象の違いがお分かりいただけると思うのですが、ともかくも明日につづきます
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