能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

木賊さらにつづき

正面を向いたシテにワキが立ち上がって声をかけます。
ワキはシテに、年老いて自ら木賊を刈ることに不審を述べますが、シテは園原山の木賊は歌人も愛でる名物なので家への土産にしようと思うのだと答えます。ワキは納得し、さてこのあたりに伏屋の里というのはどの辺りかと問いかけます。

ここからの問答は園原、伏屋の森の帚木をめぐるもの。これは源氏物語巻の二「帚木」に見える源氏と空蝉の話に由来します。帚木の巻では、はからずも契りを交わした空蝉にもう一度会いたいと深く思う源氏は、空蝉の邸に赴きますが、空蝉は身を隠して源氏と会おうとしません。
そこで源氏は、空蝉を園原にあるという帚木のように、近づくと見えなくなり迷ってしまったと歌いかけます。園原には、遠くから見ると箒を立てたように見えるのに、近づくとどの木なのか分からなくなってしまうという、不思議な檜があるとの話が、当時都でも知られていたらしいのですね。
歌は「帚木の 心を知らで そのはらの 道にあやなく 惑ひぬるかな」です

これに対して空蝉は、いやしい伏屋の生まれと言われるのがつらく、いたたまれぬ思いに帚木のように消えてしまうと歌を返します。この伏屋は、園原に伝教大師が建てたといわれる難所越えの旅人を救助する布施屋のことらしく、これまた都でもよく知られていた様子です。

この謂われを踏まえつつ、シテ・ワキは園原の帚木を眺めます。
一連のやり取りの後、シテはワキの一行に、自分の家で一夜を過ごすようにと進めます。ワキが、それは嬉しいことと喜んで申し出を受けることにしてワキ座に着座し、シテは後見座に向かい肩上げを下ろします。
ツレの三人の男達は後ろを向いて肩脱ぎになっていた素袍を直し、岡田さんだけが立ち上がって正中に出、下居してワキに向かい、先ほどの翁は思い詰めたことがあり、時々現ない様子になってしまうことがあるので、心得て置いて欲しいと言い、三人ともに立ち上がって切戸口から退場してしまいます。
さてこのつづきはまた明日に
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