能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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木賊もう一日のつづき

シテはワキ一行に酒を勧めます。飲酒戒のゆえに呑まないというワキに、シテは虎渓三笑の故事を引き、地謡で立ち上がるとワキの前に下居、酌をして立ち上がります。どうもこの扇もやや小振りのような気がしたのですが、確かなことは分かりません。

さて地謡のクリで大小前に進んだシテは下居、サシ、クセと謡が続き、鄭太尉(朝夕に木樵をして親を養い太尉になったという後漢の人。宇治拾遺物語に説話が見えます)や虞舜、釈尊と羅睺羅などを引きつつ親子の情を謡いシオリます。

クセの途中「親は千里を行けども」で立ち上がり、二三足出ると「子を忘れぬぞ真なる」と俯いて思う形。左、右と退いてシオリ「げにや人の親の」と謡って扇を広げます。
正先へと打込、ワキ正へと向かうと「我が子はかうこそ舞ひしものを この手をば かうこそさししぞとて」と扇を前に出して左に取り、子の舞う姿を思いつつ舞う形。羽根扇から舞台を廻り、ワキ正に出ると「酔泣きも子を思ふ涙とや人の見るべき」とシオリつつ退がり、一度後見を向いて扇を閉じ、正面に向き直って序ノ舞の舞出しとなりました。

老翁の舞う序ノ舞としては、西行桜や遊行柳などもありますが、それは草木の精、これは男物狂いという特殊な設定です。位取りも難しいところと思うのですが、二段のヲロシで、シテ柱まで後退りするようにして立ったシテは、左手に持った扇を見入る型から、扇下ろして右手でシオリ、子を思う心をしみじみと見せる形です。
さらに舞い続けて三段に舞って舞上げ、ワカ。

ワキ正で「影に酔ひ臥す枕の上に」と枕扇。正面に向いて「親物に狂はば」とツツっと出て「子は囃すべきものを」と手を打ち合わせます。
「あら恨めしやただ」と謡い、常座に戻るとつっと出、下がって「父に見えよかし」と安座してモロシオリ。
ロンギになり、子方が切戸口から再び登場、ワキが子方を支えてシテに向かわせ、親子の再会となります。

シテは扇を広げて立ち「疾くにも名乗り給はぬぞと」と招き扇、子方に寄って下居します。キリの謡になり、シテは立ち上がると子方を送り出して橋掛りに向かわせ、自らは橋掛りの入り口で扇を立てて頭上に上げ「後に伏屋の物語 浮世語になりにけり」の謡のままに退場し終曲となりました。

この曲、正直のところ解釈の難しい曲と思います。なぜ老人に幼い一人子なのか、老人は知らぬ人に拐かされたと言い、ワキは出家したいと望んできたと言う。理屈ではうまく理解できないのですが、それにもかかわらず、なんとも言えない親子の情を感じてしまい、舞台に惹きつけられてしまいました。本当に良い舞台でした・・・
後日、9日付けの日経新聞夕刊にこの日の能の評が載りました。こんな風に書くと、素晴らしい能だったことが伝わるんだなあ・・・と思った次第です。まあ、あまり感想めいたことを書かないのが、このブログの特徴でもあり、稚拙なところはご容赦下さい。
(98分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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