能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

右近さらにつづき

車に乗った形でシテのサシ、ツレ同吟、シテと、春風に誘われ花見の車を出して花を愛でる、長閑な春の気分が謡われます。
地謡の下歌、上歌と続きます。車中の人、シテはじっと立ったままであまり動きはありませんが「松も木高き梅が枝の」でやや右を向いて遠くを見やる風。正に直して謡を聞き、上歌の最後「轅や北につづくらん」でツレ二人が二、三足下がります。

ワキが立ち上がって謡いかけ、シテが受けて「木陰に車を立て寄せけり」と車が着いた様を謡って、ワキの詞になります。

ワキは女車を見て「見ずもあらず 見もせぬ人の恋しくは あやなく今日や 詠め暮らさん」と業平の歌を口にします。
古今和歌集476番の歌。業平が右近の馬場の「ひをり」の日に馬場にやって来たところ、風が向かいの女車の下簾を吹き上げ一瞬車上の女性の姿が見えます。業平がその車の主に贈った歌。見たともいえず、見なかったともいえない人が恋しくて、今日は訳も分からないままに日を暮らすのだろうか・・・と言ったところでしょうか。

これには477番の返歌があり「知る知らぬ なにかあやなく 別きて言はん 思ひのみこそ しるべなりけれ」とあります。
ワキの口ずさみに面白いと声を出したシテは「恥ずかしながら今はまた 我が身の上に業平の」に続けて、この返歌を取り込んで「何かあやなく別きて言はん 思ひのみこそしるべなりしを」と謡います。

ワキ、シテと掛け合いで謡が続き、そのように眺めた言葉も旧跡もこの馬場のこと、偶々今言葉をかわす見知らぬ人も花の友であると謡います。
地謡が受けて謡う中、まず車の両側に立ったツレが車を離れ、笛座前に下がって着座します。
シテは続く謡の途中で車を出て正中に進み「木の下(モト)に 下り居ていざや眺めん」と下居してワキに向き合います。謡が続くなか後見が車を下げ、正面に向き直ったシテは下歌「はかなき程に羨まれて」で立ち上がるとゆっくり常座に向かい「上の空の心なれ」と佇みます。
このつづきはまた明日に
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