FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

怒れる姿・・・黒塚のつづき

アイは阿闍梨の従僧ですが、前回の和泉流野村家と今回の大藏流山本家では、同じことでも随分と違う印象になるものだ、と再確認した次第です。


前回の吉住さんのアイは、シテが幕に入ってしまうと、いきなり閨の中が気になって仕方ないと大騒ぎしながらの登場になります。様子をうかがいながら起き出す形も、かなり大きな動きで、剽軽な雰囲気を漂わせます。


一方、この日の遠藤さんは抑えた感じで里女への不審を述べ、気になって眠れずに目を開けても、二度にわたって立ち上がるだけ。立ち上がったとことでワキに諫められて、また寝ようとします。
ようやく三度目で阿闍梨のそばを抜け出しますが、ここで「見ろと言われると見たくないが、見るなと言われると見たいという性分」を語ります。
吉住さんの場合はまず最初にこの台詞から始まりますが、この台詞をどこで言うかだけでも随分と印象が変わるものですね。


さて後シテの出ですが、薪を背に負って回した紐を左手で押さえた形。赤頭です。
後シテは怒れる鬼女の姿を現して、迫力もありました。下から上に面を突き上げるようにすることで、面にかかっていた赤頭がふわっと上がり、角の生えた般若の面が生を持ったかのような感じが出ます。なかなか良かったか、と思いました。


安達ヶ原の黒塚伝説をもとにしたこの能、前回の粟谷さんの観能記にも書きましたが、実に様々な解釈が可能だと思います。
今回の中村さんの黒塚は、ある意味、とてもオーソドックスな、まさに怒れる鬼をそのままに演じた感じでした。これが、謡の詞章をそのまま素直に解釈した姿なのかな、と思います。
中村さんはお若いし、これからも様々な能を演じて行かれることでしょう。いつの日か、今回とは違った解釈で黒塚を演じられることもあるのだろうか・・・などと、想像した観能でした。

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/195-8769aeb2

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-10 | »
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。