能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

梅枝 狩野了一(喜多流十月自主公演)

喜多流 喜多六平太記念能楽堂 2013.10.27
 シテ 狩野了一
  ワキ 殿田謙吉、アイ 前田晃一
   大鼓 大倉慶乃助、小鼓 田邊恭資
   笛 槻宅聡

富士太鼓という能があります。
富士という楽人が浅間という楽人と内裏の管弦の役を争い、浅間に討たれてしまいます。夫の帰りが遅いため富士の妻は子を伴って都に上り、富士が討たれたことを聞いて悲嘆に暮れます。夫の楽人としての装束を纏った妻は、太鼓を敵と見て打ち、悲しみの楽を奏しますが、やがて舞収め装束を脱ぎ捨てた妻は、名残を残しつつも故郷へと帰っていきます。

この富士太鼓については、宝生流小倉敏克さんの演能(鑑賞記初日月リンク)の鑑賞記を書いていますが、「梅枝」はその後日談のような能で、富士の妻も既に亡くなった後の世、旅の僧が妻の幽霊に出会うという設定です。

同じ一つの話を現在能と夢幻能として作能した例としては、鵺と現在鵺などもありますが、鵺がよく演じられる能である一方、現在鵺は金剛流のみに伝わり上演も稀の様子です。
鵺では鵺の亡霊が登場して、頼政に討たれうつぼ舟に乗せて流された苦しみを見せますが、現在鵺はその頼政の鵺退治自体を見せようというもの。

忠度と現在忠度も、忠度の幽霊が現れる夢幻能と、忠度が俊成に自らの歌を千載集に載せるよう頼みに行く現在能の組み合わせになっています。
いずれも夢幻能の方は良く演じられますが、現在能の方は稀曲の類です。

富士と浅間の楽人争いの話は、現在能である富士太鼓の方が良く演じられ、梅枝は上演の少ない曲ですが、実際に観てみると、この梅枝もなかなかに良く出来た曲との印象でした。
舞台の様子は明日につづきます
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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