能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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碇潜を巡ってさらにつづき

本日も、パソコンを使っている途中で二度ばかり電源が落ちましたが、今はかろうじて動いています。

さて「碇潜」の観世流の本をネットなどで辿ると、明治17年発行の観世流謡本では現行通り、ツレの登場しない形で記載がされています。この本の奥付には以下の記載があります。
 右之本者観世太夫章句真本令版行畢
 正徳六丙申歳弥生
 示来荏苒数十年ノ星霜ヲ経ルニ従ヒ改正増補ヲ加ヘシモ
 印刷ニ附セサレハ之ヲ世ニ公ニスル能ハサルヲ悲ミ今般
 宮内省御用達観世清孝ノ校合ヲ以テ之ヲ上梓ス
 明治十七年七月五日 出版御届
 同   年七月   刻成発兌
 出版人 檜 常之介

正徳六年は1716年で、当時の観世太夫は十四世織部清親ですが、この時期には既にツレの登場しない形に整理されていたのだろうと想像されます。また明治26年観世清廉訂の謡本は、観世太夫織部の真本の章句により天保十一年に京都の山本長兵衛が出版したものを底本にした旨の記載がありますが、こちらも内容は同じで、やはり十四世織部清親の本が元になっているようです。

ところが大正11年に観世元滋(後の二十四世左近)名義で出版された本では一転して船出之習の形、後ツレが出る詞章が記載され、その後に「當分ノ内能ノ節中入後ハ是ヨリ」と注記があって現行の後場の詞章が記載されています。
その後、昭和18年の大成版になると今度は逆になって、本文は現行の詞章により記載され、その後に「中入後ハ左ノ如クニモ」とあって船出之習の形が記載される形に変わります。現在の大成版はこの「中入後・・・」の記載が「船出之習ノ節ハ中入後左ノ如ク替ヘル」と変わっていますが、基本形は昭和18年の大成版と同様です。

このあたりの変遷は、なかなかに想像をかき立てます。
が、長くなりそうなのでもう一日だけ明日につづきます
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