能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鉢木さらにつづき

宿を貸そうと声をかけたシテは、雪中の修行者の様子を述べ「袖なる雪をうち払ひうち払ひし」と左の袖を二度ほど払う所作。「駒とめて袖うち払ふ蔭もなし 佐野のわたりの雪の夕暮」の歌を引いて謡います。

地謡の下歌「これは東路」でシテは歩み出して橋掛りに入り、ワキに寄ると左の袖を引いて向き合います。ワキが笠を外し、上歌のうちに立ち位置を入れ替えてワキを先に立て、二人は舞台に戻ると、ワキがワキ座、シテが常座にと立ちます。「憂き寝ながらの草枕」と向き合い、シテは正中に進んで「夢より霜や結らん」の上歌の終わりに一同が着座して、家の中に入った形になります。
「駒とめて・・・」の歌の「佐野」は紀伊の国ですから「これは東路」とあえてことわったということでしょうね。

さて茅屋の中の出来事となりますが、シテはツレに向かい、宿を貸したのは良いが何も差し上げる物がないのはいかがしたものかと問いかけます。
ツレが粟飯があると言い、シテはワキに粟飯を差し上げても良いかと確認します。
ワキの返事を聞いて、シテはツレに粟飯を差し上げるよう命じ、ワキに向かって「総じてこの粟と申すものは」と語りかけます。
以前は粟というものは、歌に詠み、詩に作るほどのものと思っていたのに、今はこの粟で命をつないでいる始末、と落魄した様子を語ります。地謡が受けて下歌を謡ううちに、後見が雪綿を載せた鉢木を出してきて目付のやや手前に置きます。

シテが、次第に寒くなってきたけれども何を火に焚いて暖を取らせて差し上げたものか、と独り言を言いますが、「や」と思い出した声を出し、鉢木を持っていたのでこれを火に焚こうと言います。以前は珍しい鉢木を数多く集めていたものの、皆人にあげてしまった。それでもなお梅、桜、松を持っているので、これを火に焚こうと作り物の鉢木を見込んで言い出します。

ワキは、いずれあなたが世に出る時まで取っておかれるべきで、火に焚くなど思いも依らぬ事と断りますが、ツレも交えての掛け合いの謡となり、再び世に出ることなど思いもよらぬ身では、鉢木を人の為に焚くことは、修行ともなるものだと夫婦が言い、シテが「我が身をも」と謡って腰を浮かせて地謡。
鉢木を切ることになりそうですが、さてこのつづきはまた明日に
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