能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

西行櫻のつづき

道行からワキツレ都の男の着きゼリフ。西行の庵室に着いたので案内を乞おうと述べ、同行の者の「尤もにて候」の返事を聞いて、一同はいったん橋掛りに入ります。一ノ松からあらためて「いかにこの内へ案内申し候」と声をかけ、アイが答えて進み出ます。

都の男は上京辺の者と名乗り、庵室の桜が今を盛りと聞いたので、若い人を誘ってこれまでやって来た。花を見せていただきたいと頼みます。しかし能力は、先に西行から花見を禁じられているため、ご機嫌を見て申し上げるので暫く待つようにと一行に告げ、都の男一同は橋掛りにクツログかたちになります。

一呼吸置いてワキ西行のサシ謡。「それ春の花は上求本来の梢にあらはれ 秋の月は下化冥暗の水に宿る・・・」出家に相応しい、仏の教えを引いた謡です。

ところでこの西行櫻という曲ですが、世阿弥の作とされています。世阿弥は申楽談義の中で、西行や阿古屋の松のような能は、この後、書く人が現れないだろうと評しており自慢の曲だった様子が窺えます。もっともここで世阿弥の言う「西行」は「西行櫻」ではなく「実方」だという説もあるようです。このあたりの真偽は分かりませんので、そんな話もあるというご紹介のみ・・・

ともかくも、北面の武士であった佐藤義清、出家して西行は、後々、芭蕉にまで大きな影響を与えた歌人です。この曲以外でも「江口」では重要なエピソードとして、江口の君に宿を断られた西行の故事が語られますし、実方や松山天狗など、この曲と同様に西行がワキとして登場する曲もあります。

しかしワキとして登場する西行は・・・能の扱いの独特なところと思うのですが・・・素晴らしい歌人として褒め称えられるというよりは、シテの存在を引き立たせる役回りとなっています。特にこの曲では、花見の人々によって静寂が破られる厭わしさから花見を禁じた西行を、諭すような形で老桜の精が現れてきます。

だからといって西行が狂言回しのような役という訳ではなく、西行だからこそ、シテとのやり取りに情趣が増してくると思うのです。
そのあたりを意識しつつ舞台に戻ります。

サシを謡い終えたワキに、機嫌が良さそうだとアイが声をかけ、都から花見の人々がやって来ていると告げます。
さてこのつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/2043-0f998f0a

 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-10 | »
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。