能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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海士さらにつづき

ワキとアイの問答。ワキは面向不背の珠を廻る話をアイに尋ね、アイがこれを語ると、房前の大臣の一行であることを明かします。
恐縮するアイに、管弦講で亡き海士人を弔うのでその旨を触れるようにと命じ、アイがこれを受けて立ち上がり、管弦講の触れをしてワキに報告。切戸口へと向かいます。

ワキはここで子方にシテの残した手蹟を読むように勧めます。
子方が扇を開き読み上げる形で謡い出します。大変難しい一文ですが、子方にこれを読ませるというのも、また作者なりの意図があってのことだったのでしょう。

地謡が子方の謡を受け、出端に。
異界のものが出現する際の登場楽ですが、太鼓の刻みが異界のものを呼び寄せるのかも知れません。ゆっくりと登場してきたシテは、紫の色大口に緋の舞衣、龍戴をいただき左手には経巻を持っています。
面は泥眼ですが、随分と優しい印象で「何の面だろう」と思ったほど。後日、中所さんご自身が某所に書いておられましたが、新井達矢さんというお若い面打の方の作だそうです。

後場に母の幽霊が龍女として出るというのは、法華経の提婆達多品に登場する八歳の龍女、娑伽羅竜王の娘にちなみ、成仏の機縁を得たことを示すのだろうと思いますが、とは言え、母が我が子の前に恐ろしい龍の姿で現れることには、いささか抵抗も感じるところです。
そういう意味で、優しい表情を感じる泥眼というのは得がたい選択肢と思いますし、この日の、母性を深く感じる雰囲気に見事に合っていたように感じた次第です。この面を打たれた新井達矢さんという方にも興味を持ちました。

後場の中心はなんといっても早舞。地謡の「あらありがたの御経やな」の謡に、経巻をいただき、巻き上げると左手に持ち、子方に寄って渡します。下がって常座に立ち、一度子方向き合ってから、正面に直して答拝。早舞に入ります。
この曲の早舞はそもそもゆったりと舞う感じではありますが、この日の位は本当にゆったりとして中ノ舞のような舞。あれから二月も経って、何がどうして・・・と、未だにうまく理由づけはできないのですが、あの日のあの一番の中では、あの位が実に収まりが良かった、と感じています。
理屈ではなく、感性の問題ということでしょうか。
(97分:当日の上演時間を記しておきます)
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