能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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三井寺またつづき

クセの謡「山寺の」から「今思ひ寝の夢だにも」までを聞き「涙心のさびしさに」でゆっくりとシオって腰を浮かせ「この鐘のつくづくと」で立ち上がって鐘を見上げると、正面に向き直り、扇を広げて上げ端「月落ち鳥鳴いて」と謡って上扇開キ。「霜天に満ちて」と地謡が続けて左右。クセの後段を舞います。
「月すむ三井寺の 鐘ぞさやけき」と鐘楼を見込み、後ろを向いて扇を閉じると「斯様に狂ひ廻れども」と常座に進み、「我が子恋しや候」とシオリます。

ここで子方が声を上げます。
ワキに向かって、物狂いの里を聞いて欲しいと申し出ます。ワキは思いもよらぬ事を言い出されたものだと言いながらも、シテに国里を問います。
シテは駿河国清見が関の者と答えますが、この答えに「何なう清見が関の者と申し候か」と子方が声を上げ、この声を聞いてシテは、今の声は別れた子の千満殿ではないかとワキに迫ります。

ワキは「筋なき事」と取り合いませんが、シテは「まさしき我が子」とツツっと子方に寄ろうとします。ここにワキツレが立って「そこ立ち退き給へ」と止めに入り、シテは正中に下がって安座しモロシオリ。
すると子方が再び声を上げ、ワキは子方に向かい、今こそ名乗るようにと諭します。子方はこれを受けて、自ら駿河国清見が関の者であったが、人商人の手に渡り、今はこの寺にあって母を探す身とシオリます。
シテがシオる手を下ろしつつ、子に相見えた嬉しさを謡い、地謡が入ってロンギ。

シテ,地謡の掛け合いの謡となり、ワキは子方を立たせます。シテ「親子に逢ふは」地謡「何故ぞ」でシテが立ち上がり「この鐘の」と鐘楼を向いて二足ほど詰め、正面に二、三足ほど出て「御咎めありし」とワキに向かって左手を延べます。「常の契には」で左から回って扇を広げ常座から招き扇して「鐘ゆえに逢ふ夜なり」と子方に寄って「鐘の声かな」とシオリます。

キリ「かくて伴ひ立ち帰り」の繰り返しで子方を送り出し、正中で正面を向くと常座へと回り込み、留拍子を踏んで終曲となりました。

この曲、子方はほぼ一時間座ったままで、大変キツい曲。観世流の中森貫太さんが、鐘楼の作り物を作るのが大変なのと、子方が大変なので、遠くなってしまうと書いておられますが、なるほどと思うところです。粟谷僚太クン、ときどき体を前に倒したりしてなんとか頑張り、ロンギでは見事に立ち上がりました。
それにつけてもこの曲、情趣深い一曲で、しみじみとした気持になりました。シテ狩野さんの思いも少しは感じられたかなと思っています。良い一番でした。
(98分:当日の上演時間を記しておきます)
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