能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

花もよ

二年半ほど前、正確には2012年5月に創刊された「花もよ」という能狂言の総合誌があります。隔月刊で現在16号まで出ていますが、20ページ少々の薄い体裁なのに、充実した誌面で、なかなかに読み応えがあります。

創刊号から全て手許にありますが、まだ半分も読んでいません。最初、何号か続けて買ってみたのですが、さっと読み飛ばすにはあまりにもったいない気がして、一号読むのにも大変な時間がかかってしまっています。
何ヶ月か前に、思い切ってバックナンバーをまとめ買いしたのですが、積ん読状態です。まあ、焦らず気の向くままに読んでいこうと思っています。

それにつけてもどうしてそんなに時間がかかるのか、というと、一つ一つの記事に様々なことを考えてしまうからなのです。
これから機会を見て、記事をもとに思ったことなども書いてみようかと思っていますが、今日は昨年1月の5号に掲載されていた、増田正造さんの一文から。
「寿夫帰らず」の題で、4号の付録CDに収録されていた観世寿夫さんの邯鄲の録音から、寿夫さんを巡る思いなどを綴った小文です。

これまでも何度か触れたことはありますが、観世寿夫さんは現九世 観世銕之丞 暁夫さんの伯父さんにあたり七世銕之丞雅雪の長男。世阿弥の再来とも言われ、当時の能楽界のまさに”スター”でしたが、昭和53年に53歳の若さで早世されました。
私が寿夫さんの舞台を拝見したのは、最晩年・・・今の自分よりも若い年齢に最晩年と使うのも、なんとも残念なことですが・・・の数年間でしたが、よく分からない中に、なんだかスゴいものを観ているという印象だけが残っています。

その寿夫さんについての思い出として増田さんの一文には、あるとき寿夫さんの俊寛の録音が流れているのを聞いて、著名な狂言方のどなたかが、「宝生流でこんなうまい人誰だったっけ」とおしゃったという逸話が紹介されています。
寿夫さんは宝生流の名人といわれた野口兼資に傾倒し、稽古を受けたことも紹介されていまして、ある時期、玄人が聞いても宝生流とまがうほどだったという話です。

私が寿夫さんの舞台を拝見した頃は、もはやそれほどではなくなっていましたが、それでも謡の発声は独特で、観世流というよりは宝生流を思わせるものでしたし、観世流でいうサシの型でも、宝生流のように、扇をほとんど水平に構えておられた記憶があります。・・・最近は観世流の先生方も水平に近く構える方が多いように思いますが、以前はもっと立てていたように思います。

先日「寶生流と喜多流が好きな者」さんからコメントをいただきました。「喜之家の系統は寶生流みたいな趣があり・・・」とのご意見もありましたが、寿夫さんご存命の頃は銕仙会の方がずっと宝生振りに感じられたものです。

「流儀の違い」も時代によって、演者によってどんどん変化するようです。
金剛の謡も、坂戸金剛家最後の当主右京さんの頃と現在では、随分違ってしまい、観世に似た印象になってきたとの話も、どこかで読んだ記憶があります。
家元のもとで内弟子を勤めなければ、独立できないという宝生流と違って、特に観世流では、もともと職分家が数多くあり、梅若流として独立していたことのある梅若六郎家、観世銕之丞家、観世喜之家と、家元に近い系統の先生方など、家々で芸風に相当な違いがありました。これがこの数十年間で、さらに様々に変化をしているように感じます。現銕之丞家は、かつてよりずっと宗家と近い感じがします。

そうそうついでながら、寿夫さんの次弟栄夫さんは、観世流を離れて十四世喜多六平太、、喜多実などに師事し、後藤得三さんの芸養子になって、一時後藤栄夫を名乗っていました。その後能楽界を離れて現代演劇などで活躍し、私もテレビなどで現代劇の役者として拝見していました。しかし寿夫さんの没後、観世流に復帰し、2007年まで銕仙会の重鎮として能を演じておられたのは広く知られるところです。
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/2105-591c351c

 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-07 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。