能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

粟田口のつづき

粟田口を買おうと呼ばわっている太郎冠者にすっぱが声をかけ、二人は舞台上で入れ違ってアド太郎冠者が常座、小アドすっぱがワキ座に立って問答となります。

さてこの太郎冠者の買いに来た「粟田口」ですが、本来は刀のことで、この曲が作られた頃では常識だったのでしょう。京都東山の粟田口あたりには古くから刀工が多く住んだようで、中でも粟田口吉光は名工といわれます。この伏線が分からないと、この狂言の面白さも半減してしまいます。
たまたま当日、隣の席に座られた二人の男性、お一人がたいへん詳しい様子で、休憩時間にこのあたりをめぐって、もうひとかたにいろいろと説明されていまして、私も大変参考になったところです。

ともかくも、粟田口を買いたいという太郎冠者に、すっぱは自分がその粟田口だと言い切ります。太郎冠者は粟田口が人だということに驚きますが、すっぱは粟田口に住む者はみな粟田口というのだが、このところ大名方が求めるので皆雇われていってしまった。自分は都の重宝として粟田口に残されていたのだが、買われていってやろうと太郎冠者に持ちかけます。

太郎冠者はそれならば買おうと代金を尋ねますが、すっぱの返答は万疋。出がけに主から粟田口は高価な物で万疋はすると聞いてきた太郎冠者は、これですっかり信じ込んでしまい、すっぱを連れて主のもとに帰ることにします。

帰りの道々、太郎冠者はすっぱに、諸方が粟田口を重宝とするのはどうしてかと問います。すっぱが答えて言うには、いざ事が起こったときには、千騎、万騎を召し連れるよりも、この粟田口一人がお馬の先に立てば、向かってくる敵など蚊や蝿を追うようなものなので、大名方からも重宝されるのだ、という次第です。
太郎冠者はこれを聞き、主人もきっと喜ぶだろう、などと言っているうちに主の屋敷に帰り着いた形で橋掛りに立ち、すっぱを橋掛りに残したまま、舞台に入って大名に報告をすることになります。
さてこのつづきはまた明日に
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