能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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谷行 観世喜正(神遊第49回公演)

観世流 国立能楽堂 2015.03.22
 シテ 観世喜正 梅若玄祥、子方 馬野訓聡
  ワキ 森常好
  ワキツレ 殿田謙吉 舘田善博 野口琢弘
       梅村昌功 野口能弘 則久英志
  アイ 深田博治
   大鼓 柿原弘和、小鼓 観世新九郎
   太鼓 観世元伯、笛 一噌隆之

谷行(たにこう)、これまた上演の少ない曲で滅多に見られません。私も初見ですが、そもそもシテ方が主体となって興行を打つ今の形では、こうしたワキが主体となる、しかもワキ方が大勢出演する必要のある曲は、上演の選択から外れがちなのでしょう。
「ワキの活躍する能もあるのだ」ということを広く知らせたい、まさに今回の神遊のような主催者の意図がなければ、なかなか上演されないのだと思います。

舞台の様子に入る前に少しばかり「谷行」について書いておこうと思います。
まずは、そもそも「谷行(たにこう)」とは何か・・・という話ですが、修験道で山に入った際に、病を得て動けなくなった者を谷に突き落とす、あるいはいわゆる石子詰めにすることをいうようです。峯入りの最中に病を得るというのは、穢れてしまったと、まあそういう理解なのかも知れません。ともかくもそれをテーマにした能ですが、能で重んじられる典拠・・・になるような典籍は見つかっていないようで、実話が元になっているのかも知れない、ともいわれます。作者は不詳ですが金春禅竹との説も見受けます。

さてこの曲、シテは前場で幼い修行者松若の母として登場します。後場では伎楽鬼神となり、松若を蘇生させる役割を果たすというのが基本です。ただし宝生流では前場の松若の母をツレとしていて、後場の伎楽鬼神とは別の役者が演じるようです。
後場になると、観世流以外の四流では役行者が重要な役として登場し、伎楽鬼神を呼び出します。伎楽鬼神には台詞、謡がなく所作だけですが、役行者は山伏一行の願いを叶え伎楽鬼神を呼び出す重要な役回りでもあり、この二役をどう捉えるのか、案外難しいところでしょう。そんなこともあってか、観世流ではバッサリと役行者を省いてしまったのかも知れません。
しかしながら、やはり役行者を出した方が舞台としては良い・・・ということでしょう、観世流でも役行者を出す演出が取られるようで、今回も後場では梅若玄祥さんが両シテの扱いで役行者を勤められました。
確かにこの役行者、重い役どころでもあり、金春流の古い本に「後シテ役行者」と記されているのを見ております。現行本は確認しておりませんが、この扱いも納得いくところです。
さて舞台の様子は明日からに
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