能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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谷行さらにつづき

松若は峯入りにお供したいと申し出ますが、ワキは難行でもあり母の具合も悪いのだからと申し出を断ります。しかし子方は母が病気だからこそ平癒祈願に参じたいのだと言い、ワキも承服して母に話そうと、子方を先にして向きを換え、子方が笛座前に着座、ワキは再び正中に下居してシテに向き合います。

ワキが松若の申し出を語り、シテ母は思いとどまるように言いますが、子方が母の現世を祈るために難行の道に出たいのだと述べて、地謡の下歌。
師匠も母も諸共に孝行の深さに涙したとの謡に、シテ、ワキともに片シオリの形です。

中入前のロンギ、「つゞりの袖も切るべきに」の謡でワキが立ち上がり、子方の後ろに立つと子方を立ち上がらせて、地謡を聞きつつ橋掛りへと進みます。
「見てや止みなん葛城や」でシテが立ち上がり見送る風。ワキ、子方は一ノ松で一度立ち止まり「親の思い子の名残惜しさを如何せん」とシテとワキ、子方が向き合うとシテのシオリ。
繰り返す「名残惜しさを如何せん」の謡で子方が中入、ワキも子方を送り込んで幕に入ります。あらためてシテも立ち上がって幕に入るとアイが常座に進み出て立ちシャベリとなります。

間語りは前場を繰り返す形で、阿闍梨が松若の様子見を兼ねて峯入りの挨拶にやって来たこと、母の病を聞いて阿闍梨は母に見舞いを述べ峯入りの暇乞いをしたこと、松若が峯入りに同行したいと申し出たため阿闍梨は一度断ったが、母の回復を祈ってのことと聞いて許したことなどを語ります。
その上で、幼い松若が難行に向かう母の心中を察し、この辺りの人に松若が戻ってきた際は皆で出迎えされるように、と触れて退場します。

アイが下がると後見が一畳台を持ち出してきてワキ正に据えます。脇正面側に沿う形、正面から見ると短い辺が手前に見える向きに据えます。一畳台の四隅にある穴の内、手前右側と奥の左側、階に近いところとシテ柱に近いところに、枝葉の着いた立木が立ててあります。毛氈が緑で、深山の森を示すようです。
後場となりますが、このつづきはまた明日に
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