能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

唐船またつづき

ワキはシテを遮り、祖慶官人が帰国するのは良いとして、日本で生まれた子供達はこの地にあって、いつまでも召し使うからこちらに来るようにと、立ち上がって子方に寄ります。
子方二人はワキに向き合い「あら情けなの御事や・・・」と謡いシオリます。

唐子二人が立ち上がり「時刻移りて叶うまじ」と謡い出し「纜を解く」とシテを急かしますが、シテは何れの子も捨て難く進退窮まってモロシオリの態。
一同も腰を下ろします。

短いクセの謡。進退窮まったシテは「巌にあがりて十念し既に憂き身を投げんとす」の謡通り、正先に進み出て身を投げる態になりますが、全員が立ち上がり、唐子・日本子四人が「子供は左右に取りつきて」と、シテを留める形になります。シテは下がって座し、官人の子四人が地謡、笛座前から、モロシオリするシテを見込む形です。

ここでワキが言葉をかけ、暇を許します。シテは喜びの声を上げ、オモアイが船を組み立てます。ワキの「とくとく船に取り乗りて」の声にオモアイが船をワキ正に出し、シテは地謡の「真に諸天納受して」で正中で合掌。子らを振り返り、「時刻を移さず 暇申して」とワキに頭を下げると、立ち上がって常座で後見から唐団扇を受け取ります。

子等は船に乗って着座。地謡「棹のさす手も舞の袖」を聞いて、シテは船の前部に乗り込み「波の鼓の舞楽に連れて面白や」と聞いて答拝し、船中で楽を舞います。

楽は途中から調子が盤渉に上がり、祖慶官人の喜びを表現する舞。船中の前部だけを使っての舞ですので、ほとんど動く場所もないくらいですが、実に面白く、また悦ばしく感じた舞でした。
舞上げるとキリ。シテは「名残おしてる海面遠く」と雲扇。ワキが立ち上がって「招くも追風」と招き扇。「帆を引き連れて」の謡にオモアイが帆を引き上げ、「喜び勇みて」とシテはユウケン。「唐土さしてぞ 急ぎける」の謡に船を下りて留となりました。

ところで、この日は小書の無いままに盤渉楽となったので、いささか疑問だったのですが、森田流では唐船の場合、小書無しでも盤渉になるようだと、後刻、中所さんから伺いました。森田光風師の遺稿集「森田流奥義録」には、以前は笛方の権限により随時に機をみて盤渉に替えた、という話が出てきます。また、この盤渉調は五行の配在では水、北に位置するので、夜陰の能、水にちなんだ能に用いられるとあり、唐船には最適のようです。
(84分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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