能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

昭君のつづき

二人は向き合って、花の木陰に立ち寄れば雪が降る様子を謡い、白桃王母の夫婦と名乗ります。娘である昭君が容顔人に勝り、帝都に召されて明妃と名をあらため寵愛を受けていたが、胡国へ遣わされることになった次第を謡い、その身を「思いやるこそ悲しけれ」と向き合ってシオリます。

二人は続けて、供奉の官人達が旅の慰めに管弦を奏し、馬上に琵琶を弾く初めとなったことなどを謡い、下歌で、絵に描かれたその姿を思いやるとシテがシオリ。上歌では糸柳が風に乱れるように思い乱れる折節ではあるが、と謡い舞台に向かい、続けて木陰に立ち寄り塵を掃こうと謡ってツレが正中に、シテが常座に立ちます。

余談ですが「明妃その名を改めて」と謡にはありますが、これは後に三国時代の混乱を収拾した晋の時代になって、天下を統一した武帝司馬炎の父であり、文帝と諡された司馬昭の諱「昭」を憚って、昭君を明君と言い換えたことによるようです。したがって三百年も後の世のことですから、昭君の父母が謡うのは変なのですが、そこは謡曲にはよくあることで、気にせず先に進みます。

舞台に立った二人は向き合ったり、戻したりしつつ、子を思う親の思いを謡い、地謡の「落葉の積もる木陰にや 嵐も塵となりぬらん」の謡に舞台上で萩箒を使い、落ち葉を掃き清める形。ワキ正あたりを二人して見やり、シテが見廻す型を見せます。

地謡の上歌「げに世の中に憂き事の 心にかかる塵の身は」で、まずシテは正面を、ツレは目付柱の方を向いて立ち、ツレは向きを変えると大小前で正面に向き直ります。
シテは「払いもあえぬ袖の露」と手を差し出し「涙の数や積もるらん」とシオリます。さらにワキ正に出て足許を見、面を上げて「しばし袖に宿さん」とやや遠くを見やる風。
下歌「涙の露の」で正面を向き、ツレは後見に箒を渡すと常座に向かいます。シテは正中で箒を落として下居。常座からワキ正に出たツレがシテに向いて腰を下ろすと、シテが余りに苦しいので休もうと言います。

ここでワキが「この家のうちに案内申し候」と声をかけます。
シテとワキの問答になりますが、このつづきはまた明日に
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