能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

重衡のつづき

ワキが着座すると次第の囃子、前シテの出。
小尉の面に尉髪、小格子厚板着流しに柿色の絓水衣、右手に杖を突きつつ登場し、一ノ松あたり、柱のところで一度正面を向き、斜め後ろに少し進んで次第の謡です。

実は味方玄さんのシテを拝見するのは初めてだったのですが、この次第の謡も味わい深く、一曲の期待が高まります。「苦しき老いの坂なれど 越ゆるや程なかるらん」と謡い、地取りで正向きサシ。
「花は雨の過ぐるによって紅正に老いたり。柳は風に欺かれて。緑漸く垂れり」と無常感漂う詞章をしみじみと歌います。「人間万事塞翁が馬」とやや体を上げ「何か法ならぬ」と杖を突きます。

上歌「老の鶯音もふりて」と続き、「春の日の影ともに。遅き歩を辿り来て」でやや右を向き少し出ると「来て」に合わせて杖を一突き。「通ひ馴れたる奈良坂や」と向きを変えて橋掛りを進み、シテ柱に到ったあたりでワキが立ちあがります。シテは「花の木陰に着きにけり」と常座に立ち、ワキが声をかけます。

ワキ僧は、初めてやって来たのだが、仏閣の有様に驚いていると言います。シテはこれに答えて、朝暮見慣れている自分たちにも「この奈良坂に上りて見れば」と中正面あたりを見廻す態で、目を驚かすばかりだと言い、初めてやって来たというワキに、仏閣を教えようと促し、名所教えになります。

ワキはワキ柱の方を向き、東に当たり大きなる御寺が見えるのは大仏殿かと問います。シテもワキに合わせてワキ座方を見、あれこそ三国無双の大伽藍 東大寺大仏と答えます。
続いてワキは幕方を見、西に当たりと塔婆の見える御寺は如何なる寺かと問いかけます。シテは右手の杖を突き、振り返るように見て、遍昭の歌に「浅緑糸よりかけて白露の 玉にもぬける春の柳」と西の大寺の柳を詠めるとある、その西大寺であると答えます。
名所教えは更に続きますが、このつづきはまた明日に
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