能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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重衡またまたのつづき

カケリのうちに橋掛りに入り、二ノ松で舞上げ「あれご覧ぜよ旅人よ」と左手を上げます。
ワキは東方よりの灯火がたくさん見えると言いつつ下がると、あれは何の灯火かと問いかけます。
シテは春日の野守の飛火と答え、古の春日野の飛ぶ火の言われを謡い「松明の火の働くが飛ぶやうなればとて」と一ノ松あたりまでツツっと進みます。
「また修羅道の折を得て」で舞台に入ると「あの春日野にともすぞや」と開イて胸サシ「あれ追っ払へ春日野の」と開キつつ謡って地謡に。

「野守は無きか出でて見よ」と聞いて足拍子を左右踏んで扇を広げ、角へ向かうと角トリ。左へ回って「燃え焦るる瞋恚の焔」で大小前へ「焼狩と見えつるは」と小廻りして出て、招キ扇しながら「武蔵野を焼きし飛火のかげ」と謡って目付に進み、地謡「野守の水を照らししは」で扇カザシて下見て立つ形。

「鏡にうつる胸の焔」と胸を押さえ、扇を後ろに跳ばして太刀を抜くと、地謡の「すは一刀の剣の光」に正へ打って出て「差し違え」と太刀を差す形。
大小前から面切りつつ出て、両手で「春日野の草薙や」と太刀を捧げると角に出ます。
「山河を動かす修羅道の」の謡に橋掛りに入り、繰り返す謡に小さく回ると、一ノ松で太刀を捨て「瞋恚を助けてたび給へ」と合掌し、繰り返す謡に合掌を解いて左袖を巻き、詰めて終曲となりました。

おそらくは五百年近く、上演されないままに番外扱いになっていたらしいこの曲ですが、実に味わい深い能でした。復曲以来、度々上演されているのが納得できる一番ですが、最後の部分では、記載した通り「瞋恚を助けてたび給へ」と繰り返し、読経により一時安らぎを得たものの、救われないままに再び修羅道に落ちて行くという、修羅物としては珍しい形になっています。このあたりが長く上演されなかった理由でしょうし、今観ると深い味わいを感じさせるところでもありましょう。

それにつけても、当代の人気役者の一人でもある味方玄(しずか)さん、シテとして演じられるのは初めて拝見しましたが、実に深い演技でした。機会あれば是非また拝見したいと思っています。
(99分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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