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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

平ノリ、中ノリ、大ノリ

拍子に合う謡には平ノリ、中ノリ、大ノリの三つの種類があります。
どうも喜多流では平ノリではなくて小ノリというらしいのですが、習ったわけではないので、多分そうだというとことろでお許しを・・・。


さて、この三つを説明するためには、まず能の拍子が八拍を基本にしているということをお話しておく必要があります。
拍子は八拍の繰り返しを基本にします。もちろんどんなものにも例外はあるわけで、トリ地やオクリ地、片地などといって、四拍や二拍で次の地に移ってしまうこともあります。とは言え、今回はそこまで詳しくお話するつもりはありませんので、ともかく八拍が基本とご理解下さい。


さて、日本語の韻文は七五調と言われるように、一句が十二文字から出来ていることがともても多いですね。いくつか謡の文句を思い出していただけると良いのですが・・・
例えば「葵上」の一節
「人の恨の深くして。憂き音に泣かせ給ふとも。生きて此世にましまさば。」
なども十二文字が基本になっています。


この十二文字を八拍にあてて謡おうとすると、基本は一拍に二文字を置き、適当に間を開けて辻褄を合わせることになるでしょう。この合わせた謡い方が平ノリということになります。
先ほどの葵上の一節は
「ひぃとのうぅらみのぉふかくして。うぅきねにぃなかせぇたもうとも。いぃきてこぉのよにぃましまさば。」
と一句について三カ所ほどを引いて謡うと十五文字分になり、次の句との間に一文字分の間を開けてちょうど八拍に合わせることができます。


一方、間を引かずに謡う場合もあります。
例えば海士の玉の段の一節
「南無や志度寺の観音薩埵(タ:パソコンの環境で表示できない場合もあるかもしれません)の力を合はせてたび給へとて。」は
「なむやしどじのかんのんさったのちからをあわせてたびたまえとて。」
と続けて謡います。聞いているとトントンと拍子が進む感じ。こうしたリズムの乗せ方が中ノリ、あるいは修羅ノリと呼ばれます。
修羅物で良く使われる謡方です。


そして三番目が大ノリ。
これは八拍に対して、一拍に一文字をあてて謡います。ゆったりと大振りな謡になります。
本当は増ブシ(マシブシ)といって、一文字を二文字分以上の長さで謡う節のことも説明しないと、正確ではないのですが、とりあえず三種のノリがあるというところを、今日は書いてみました。
能を観るときに、ちょっと気をつけると「あ、ここは謡方が違う」「これは大ノリか?」といった気付きがあるかもしれませんね。

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コメント

なるほど…

ご無沙汰しておりますが、ちょこちょこ覗かせていただいといました(´ー`)
謡のテンポ、こうして基礎知識を知りながら聴くと楽しさも倍増ですね。
できたら謡を直接聴きながら、これが平ノリ、中ノリ、大ノリ~と講釈いただきたかったです(笑)ワークショップみたいなものにも行ってみたいと思いますね。

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