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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

華麗さを増す小書き・・・杜若のつづき

登場したシテは、この場所は八橋と言って杜若の名所であり歌にも詠まれていると告げます。ワキは誰の歌かと問い、シテがこれを受けて伊勢物語の話を展開するわけです。
伊勢物語九段の東下りは古文の教科書にも出ていましたし、大変有名な一節ですが、これを杜若の精が示すというところが、この能の主眼でしょうか。


シテの女は素性を明かさないままに、ワキ僧を自らの庵に誘います。
シテに伴われてワキは庵を訪れます。ここで物着となり、囃子の打つゆっくりとした物着の手のうちに、後見座に向かったシテは長絹と初冠を着けます。
長絹は高子の后のもの、初冠は業平のもの、この両方を杜若の精が着けることによって、シテは杜若の精であるとともに、業平、そして高子の三つが重層的に重なった意味を持つことになります。


今回の杜若には日蔭之糸と増減拍子の小書きがついています。
どちらも金剛流だけの小書きで、日蔭之糸の小書きがつくと物着で着ける初冠に梅の心葉と日蔭之糸が着けられます。
日蔭之糸は紅色の絹紐でした。
神社の巫女さんが神事などの時にもこの日蔭之糸を着けたりしますが、たしか白か青の色のものが普通だったように思います。古くは日蔭の蔓と言って植物を用いたという話を聞いたことがあり、そちらがもともとの形のように思います。
日蔭之糸という小書きは金剛流だけにしかありませんが、初冠に日蔭之糸や心葉を挿す形は他流でもみられます。心葉というのは冠に挿す梅などの花を言いますが、これも藤を挿す流儀もあり、最近では杜若そのものを挿す場合もあるようです。


金剛の場合、日蔭之糸の小書きと増減拍子の小書きは両方つくのが通例と聞きましたが、日蔭之糸が装束の小書きであるのに対して、増減拍子は舞の小書きになります。
明日はこのつづきを

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