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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

浮舟さらにつづき

シテがサシを謡い地謡が受けてクセに続いていきます。
浮舟のもとには薫の中将が通っていたが、兵部卿の宮が忍んで訪ね来たと謡われます。
「兵部卿の宮」は、本名の分からない架空の皇子を物語で便宜的に呼ぶ名で、源氏物語では紫の上の父など三人が登場しますが、この宇治十帖では匂宮を示します。

薫中将が設えた家から、匂宮は浮舟を連れ出して舟に乗せ宇治川を渡ります。途中、橘の小島に舟を寄せて暫し留まったのち、川向こうに匂宮が用意した家へと浮舟を誘う訳です。

クセの上げ端「水の面も曇りなく」と謡いつつ、シテは舟からワキ正側に水面を見る形。さらに地謡が「舟棹し留めし行方とて」と謡うのを聞いて立ち上がり、舟を下りると少し出て笠でワキから面を隠す形。左手に笠を持ち、地謡の「終に跡なくなりにけり」の謡で、常座あたりまで進み、振り返ってシオリます。

ワキが「浮舟の御事は承り候ひぬ さて御身はいづくに住み給ふぞ」と問いかけます。
シテは答えて、此処には仮に通うもの、住み家は小野なので、都のつてに訪ねてほしいと言います。ワキは、さらに小野では誰と尋ねれば良いのかと問います。シテは横川は水のすむ方を、比叡坂と尋ねてほしいと謡い、地謡が下歌で、物の怪が身について悩むことがあり、法力を頼んで待っていると言い、行方が知れなくなったと謡うに合わせて「法力を頼み給ひつつ」とワキに詰め、最後の一足を念を押すようにしっかりと抑えると、幕を見やり、「浮き立つ雲の跡もなく」とワキを向いてから正に直し、笠を落として中入となりました。松田さんの笛で送リが吹かれました。

この「小野」「横川」ですが、源氏物語では入水した浮舟を、比叡山の横川中堂を拠点に活動する横川の僧都が偶然に見つけ、小野の草庵に連れ帰ったとされており、これを暗示する詞章となっています。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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